鳴り響く青春サウンド
「ねぇ、メールしたいって言ってる女の子がいるんだけどさー?」
高校生になったばかりのある日。
色恋沙汰とは無縁、どの女の子とも繋がらない役たたずな運命の赤い糸をもてあましていた。要約しよう、モテなかったんだ、俺。
そんなある日。
中学生の頃同じクラスだった女子から電話があった。女子からの電話というドラマチックなシチュエーション。電話の向こうで何人かの女子がクスクス笑っている雰囲気が耳に届いた。その場のノリで俺に電話したんだろう。だけれどもドキドキする。あくまでもクールな自分を装いたい俺は「えっ!?嘘!?メール、あぁ、いいよ」となんとか後半はクールなトーンを醸し出した。
友達が俺の連絡先を教え、ある女の子とメールすることになった。
プリを見たらめっちゃ可愛い。
メールを重ねるうちに、俺は好きになっていた。
友達に、実際に会った方がいい!遊びに誘えよー。と言われ、勇気を振り絞ってメールで遊びに誘った。
返事はゴメンって。
その女の子には、今、好きな男の子がいるらしく、もうメールはできない、と。
俺の恋心は、液晶画面の中で淡く砕けた。
結局、その女の子とは会えなかったし。
もうその日に連絡先も消しちゃった。
なんというか、切ないなー、と。
恋愛って難しい。
最近、卒業シーズンということもあり、青春時代の事を思い返してしまうのだ。さてさて、明日は仕事が休みである。
休日前夜の、この夜の雰囲気は大好きだ。「明日は休みだ」という開放感。夕飯を食べて、散歩がてら近所のTSUTAYAへ。
BaseBallBearの「yoakemae」という曲を聴きながら歩いていた。カッコいい曲、大好きな曲だ。
BaseBallBearは中学生の頃に買った音楽雑誌に載っているのを見て気になり、高校生になってアルバム「C」を聴いてハマった。
爽やかで甘酸っぱい、まるで真夏にコーラかサイダーを飲み干した時の様なあの感覚のメロディ。
シュワシュワと高校生の俺の心に響き、すぐに通学中のBGMとなった。
音楽を聴きながら歩いていると、その時の気持ちやその時見た風景が音楽と一緒に、脳内に真空パックされていく感覚がする。BaseBallBearを聴いて思い出すのは、通っていた高校の近くの駅だったり途中にある橋だったり。
通学路の風景だったりする。
高校生の頃に、テスト終わって、ラーメン食べていこうぜって事になったんですよ。
友達二人と俺でどの店に行く?って話になった時に、とりあえず近くにあるラーメン屋に行こうってなって、フラリと入った近所のラーメン屋さんで食べたラーメン、すごく美味しかった。
高校生の頃の、そんな思い出。
あと、ある日すごい大雨が降ってる日に、学校の玄関で友達と「うわー、めっちゃ雨降ってるよ、どうする?」って言った事とか。そんな小さな小さなピースも「青春時代」という巨大なパズルの一部を形成しているのだ。
恋愛に失敗した、甘く苦いパズルのピースもあるけれど。
片思いの女の子とメールしてる時、その女の子からのメールの着信音をYUKIのメランコリニスタにしていたっけ。
ふと、テレビを見た。
コマーシャルに出演している桐谷美玲さんが、すごく可愛い。
ゲストに関する写真を見て言った堂本剛さんの一言が、すごく面白かった。