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FamilyMartってTommy heavenlyとちょっと文字の雰囲気が似てる気がするBlog

何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

映画「恋の渦」を見た感想

映画が始まるやいなや数秒で「よかった、この部屋に俺いなくて」と思ったのは初めての経験だった。

その部屋では陰惨な拷問が繰り広げられているのか?いや、違う。
その部屋では若者数人が合コンを始めようとしていただけだ。生ぬるい身内ノリと微妙な人間関係の温度差が充満しているあの部屋で。

映画「恋の渦」は前々から見たかった作品である。先日TSUTAYAに行ったらレンタルしていたのでさっそく借りてきて見た。

主役となる登場人物は、どこにでもいそうな平凡な若者8人。
その8人が部屋で合コンを開いた後、微妙に変化していくそれぞれの人間関係が描かれていく。

その舞台となるのは4つの部屋。

登場人物それぞれが生活している部屋、この部屋の描写も絶妙で「あぁ、こいつらならこんな部屋住んでそう」と思う要素が色々と散りばめられている。
それは無造作に置かれた漫画だったり、部屋の散らかり具合だったり。

ポスターにしても、ある登場人物はグラビアアイドルのスクラップっぽいポスターを貼っているのに対し、ある登場人物はサウスパークのポスターを貼り、部屋着はバンドTシャツ。といった具合である。
この映画を監督したのが「モテキ」の大根仁である事を考えると、それぞれの部屋のディテールの深さも頷ける。「モテキ」での幸雄の部屋のディテールはサブカル男子にとっては垂涎物であった。

その人物のライフスタイル、生活感が部屋から漂ってくる感覚がある。

登場人物はみんな、どこかだらしなくてカッコつけてるわりにはカッコ悪くて強そうに見えて弱そうで、ようするに「あ!いるよなこういう人!」と思ってしまう8人。

劇的な場面も壮大な風景も登場しない、登場するのは、ありきたりな日常のワンシーンだ。
しかしそのワンシーンの鮮度とクオリティの高さはハンパじゃない。

これは等身大のラブストーリーだと思う。

大ヒットを記録した某映画の主題歌「ありのままの姿見せるのよ」というワンフレーズは、実はこの「恋の渦」にこそ似合うのではないかと思う。

ありのままの姿をさらけ出した、若者特有の軽薄なノリと言葉がジャンク盛りの衝撃作。
どんぶりからこぼれてしまう程にあふれた「愛」に食らいつきたくなるソリッドなラブストーリーだ。