6月15日
夜勤明けで友達と遊びに出かけた。楽しすぎる時間を過ごし、帰宅したのは21時頃だった気がする。
やっぱりお酒を飲んだ後に食べるラーメンの美味しさは格別だし、夜に歩きながら聴くサカナクションの曲は最高だ。
大好きな映画はいくつもあるが、大好きな映画監督を挙げろと言われたなら、やはり園子温の名を挙げる。
「えんしおん?」「そのこおん?」
読み方すらあやふやだった。
高校生の頃の俺はこのドラマに夢中だった。
とにかく面白い小ネタやギャグの連発に魅了されたのだ。
このドラマは各話ごとに脚本家が違う。
第何話かは忘れたが「園子温」の名前がどこかに登場したのは覚えている。
「園子温」と書いて読み方は「その しおん」
この名前を一生忘れられないくらいの衝撃を与えてくれたのは、ひとつの映画がきっかけだった。
その映画の話題で、一時期雑誌や著名人のブログは持ちきりのようだった。
「・・・・・・うわ」
ただだだ、驚くしかなかった。
もしも「あなたが一番怖いと思う映画は?」と聞かれたならば「冷たい熱帯魚」の名前を挙げるだろう。そのぐらいに、この映画には衝撃をうけた。
人が生きていく間に感じる「痛み」や「悲しみ」の描写がとにかく鮮烈な園子温の映画、これからも俺は観ますよ。
映画館を出て、駅のSTARBUCKSに向かい歩く。
イヤホンで音楽を聴いていない耳に、雑踏の音が染み込んでくる。
音楽を聴いて散歩するのが大好きなのに、イヤホンで音楽を聴いていないなんて我ながら珍しい。
理由はちゃんとある、映画館で観てきた映画が衝撃的すぎて、映画の余韻に浸りたかったのだ。
今日は特別な日だ。
大好きな映画監督の作品を映画館で観てきたから。
過去の園子温作品「愛のむきだし」も「冷たい熱帯魚」も「ヒミズ」もDVDで観た俺は、「いつか映画館の大きなスクリーンで園子温の映画を観たいな」という思いをずっと抱いていたので、「地獄でなぜ悪い」の公開が開始するや否や、その夢が叶うとドキドキワクワクしていた。
いつもそう、園子温作品は退屈な日常に飽き飽きしている俺たちの首根っこをつかんで映画の世界に引きずり込んでくれる。
血、刀、炸裂する拳銃。怒濤に繰り広げられるアクションシーン、あまりの迫力と血しぶきに、映画を観終えた俺は自分のシャツを触り「撃たれてないよな?」と確認してしまった。もちれん撃たれていないのだが。
とにかく、最高に面白くて楽しい作品。
今年ナンバーワンかもしれない、「地獄でなぜ悪い」。