映画「台風一家」
フジファブリックの「若者のすべて」とスチャダラパーの「サマージャム'95」を聴いたり、仕事帰りにコンビニでアイスを買って食べたりと先日はまるで夏の終わりを名残惜しむかのような行動をしていたが季節には抗えない。
9月になった。もう秋だよな。
今日は休日。
「総勢70人が語る極私的トラウマ映画論」という言葉が表紙に踊る強烈な一冊『観ずに死ねるか!傑作絶望シネマ88』という本を読んでいたら、山本直樹さんが紹介している「台風一家」という作品が気になり、TSUTAYAでDVDを借りて見た。
広大な田園とは裏腹に、登場人物たちの暮らしの中に漂う閉塞感、踏み込んだ社会的なタブー、物語が進むにつれてどんどん色濃くなっていく絶望っぷり。
完璧に救いようのないストーリー、その徹底したストーリーの救いようの無さに、むしろ清々しさすらある。
容赦なく描かれる絶望で無理やり押し流されたような、見終わったあとで心がヒリヒリする感じがした。
「ここまで救いようがないと清々しいよね」という言葉を言うのもやっとなくらいに、とにかく打ちのめされた。
椎名林檎の曲を聴きながらブログを更新した。シャッフルで聴いていた。「闇に降る雨」から始まり今は「白い小鳩」が流れている。