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FamilyMartってTommy heavenlyとちょっと文字の雰囲気が似てる気がするBlog

何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

PERFECT HUMAN、中田敦彦。ありがたきその名を何度だって呼びたい〜俺の人生を変えたラジオはAMでもFMでもなくオリエンタルラジオだった〜

2000年。

字面的にも近未来な雰囲気が漂うこの年に、ある映画が公開された。


中学生が殺し合うというセンセーショナル過ぎるストーリーは物議を醸した。
映画のキャッチコピーが過激すぎて変更されたというニュースが印象に残っている気がする。
映画の主役は中学生なのに、その内容と描写の過激さから中学生は観賞出来ないというこの映画だったが、皮肉にも大ヒットとなり話題作となった。

その当時まだ小学生だった俺としては、1本の映画が巻き起こす社会現象に、得体の知れない恐怖を感じていた。

バトロワ知ってる?」
「漫画なら読んだけどやばい」
バトロワ映画見た、兄ちゃんがDVD借りてきた」
時は流れて、放課後の教室、昼休みの廊下、そんな話がひそひそと囁かれていた。
あの頃は、バトル・ロワイアルの映画を見たやつは大人だ一味違う、みたいな風潮があった気がする。
俺も背伸びしてこっそりと漫画を立ち読みした事があるのだけれど、怖すぎて1冊を読んだか読まないかくらいだ。

バトル・ロワイアルのDVDが店頭に並んだ。
学校帰りに寄った本屋のCDコーナーでオレンジレンジの「ロコローション」を聴いた。
ゲームならキングダムハーツ2、ドラマなら電車男赤西仁亀梨和也が主演のごくせん、野ブタをプロデュース、流行っていたそれらどのカルチャーにもいまひとつハマれなかった、そんなタイミングで、お笑い史における何度目かの「お笑いブーム」が直撃した。
見事に「お笑い」にハマった、俺が中学生の頃だった。

「残念ーッ!」
「あまーい」
「どうでもいいですよ」
ゲッツ」
「なんでだろうなんでだろう」
「ちょっとどこ見てんのよ」
「自由だー!」etc

笑いの金メダル」「エンタの神様」の二大番組が大きく牽引していたこのお笑いブーム、テレビをつければほぼ毎日のようにギャグが聞こえてきた。

その中でも一番のインパクトがあったのがオリエンタルラジオの「武勇伝」だった。

その頃流行りのネタは多くが歌ネタやリズムネタだった。
オリエンタルラジオの「武勇伝」もリズムネタなのだが、他のリズムネタに比べてクオリティの高さが明らかに違った。芸能人への毒舌ネタ、日常に潜むあるあるネタ、自虐ネタなどが主流の中で、どことなくヒップホップのテイストが漂うメロディに独創的な面白い一言を乗せるオリエンタルラジオの「武勇伝」はケタ違いの面白さとインパクトだった。

「武勇伝」の代表的ネタ「1日2ミリバス停ずらす」「2年を費やし自宅の前へ」というフレーズ。
1日1日少しずつバス停をずらすというシチュエーションを漫才でもコントでも無いリズムネタに組み込む斬新さ。
会話や描写を極力そぎ落とし「1日2ミリバス停ずらす」という言葉のみを投げ「2年を費やし自宅の前へ」というシチュエーションのオチの部分を繋げる。
面白い発想とその発想のオチの部分を上手く繋いだのが「武勇伝」なのだと思う。繰り出される瞬間的な面白さ。
「魔法のじゅうたん部屋に敷く」「フック船長に右フック」など。
漫才やコントでは再現が難しい笑いも、リズムネタとなれば最短距離の面白さで届けることが出来る。

武勇伝のメロディはどことなくヒップホップ的だ。
ラジオのワンコーナーで中田敦彦DragonAshの「静かな日々の階段を」をかけていた。
ちなみにこの曲は映画「バトル・ロワイアル」の主題歌であり、中田敦彦のかつての連載『芸人前夜』Vol.6「導火線に火をつけろ 後編」内にも「バトル・ロワイアル」という言い回しが登場する。書籍版の『芸人前夜』内では窪塚洋介、映画「ピンポン」といったワードも登場する。

オリエンタルラジオのDVD「十」のオーディオコメンタリーの中には、中田敦彦が話す「すばる文学賞」「AKIRA」「L'Arc-en-Ciel」というワードがある。

『みんな十四歳だった!よしもと芸人が語る、何者でもなかった「あの頃」の話』内のインタビューで、中田敦彦新世紀エヴァンゲリオンと自らの青春時代について語っていた。
中田敦彦が中学二年生の頃に新世紀エヴァンゲリオンのアニメを見たように、俺も中学生の頃に新世紀エヴァンゲリオンの漫画と出会った。

DragonAshバトロワAKIRA、すばる文学賞、L'Arc-en-Ciel、窪塚洋介、映画「ピンポン」新世紀エヴァンゲリオン、新たなPOPカルチャーの影響を受けたオリエンタルラジオが放つ「笑い」のセンスに俺は打ちのめされっぱなしだった。

オリエンタルラジオは「武勇伝」ネタで一躍時代の寵児となった。
その瞬間をリアルタイムで見ていた。
凄まじい勢いだった。
オリエンタルラジオはお笑い界を驀進していく、最速出世だ。
ナインティナインの番組にて、武勇伝のリズムに乗せ「デビュー1年目にしてナイナイさんと共演!」と叫んだ中田敦彦のあの鋭い目、忘れられるもんか。
俺にとってオリエンタルラジオこそがスターだった、間違いなく。

時は流れ俺は中学生から高校生になった。
正直、栄光だったレギュラー番組は終わり、オリエンタルラジオのブームは失速していた。
ある日、何気なくTSUTAYAで借りたオリエンタルラジオ「十」のDVD、武勇伝ネタを封印し解き放たれたコントの数々に衝撃を受けた。
「やっぱり最高だよ、オリエンタルラジオ」と思った。
あの頃に新たなお笑いブームの起爆剤となったイロモネア、爆笑レッドカーペット爆笑レッドシアターにはオリエンタルラジオの姿は無かったけれど「俺だけはオリエンタルラジオの面白さを知っているんだ」という気持ちを胸に潜めつつ高校生活を過ごしていた。

その後も時は流れ、俺は高校生から社会人になっていた。
昼休み、職場の休憩室のテレビでは「笑っていいとも!」が流れている事が多かった気がする。
いいとも!にオリエンタルラジオの二人が出ている曜日は見るとテンションが上がった。何かのコーナーでオードリーの若林正恭中田敦彦が言った「若林くん今日塾?」という一言がすごく面白かったのを覚えている。
「才」「我」「VS」「オリエンタルラジオLIVE2011〜絶賛、再ブレイク中。オファーお待ちしております〜」とオリエンタルラジオはDVDをリリースしていく、才の80分漫才、我の特典映像のブラックマヨネーズとの対談、VSの最後の歌、全てが衝撃的だった。
かつて「ラフブロ」で公開されていた中田敦彦のブログを何度も読み返し、オリエンタルラジオのDVDを欠かさず見ていた。

DVDのタイトルにもあるようにオリラジは「再ブレイク」を果たした。

速すぎたブレイクの闇に沈むことなく、オリエンタルラジオはお笑い界に舞い戻ってきた。

嬉しかった。

大ブレイク時の「はんにゃ」が番組に出た時に共演したオリエンタルラジオ中田敦彦が言い放った「何見てんだよ金田ぁ!?」の一言のカッコ良さ、藤森慎吾のチャラ男キャラ、ラッスンゴレライの完コピ&本人とのコラボ。

オリエンタルラジオは沈まない。

中田敦彦に憧れている。
ラジオのワンコーナー「僕たちの夜明け前」を夢中で聴き、連載『芸人前夜』を貪るように読んでいた。

オリエンタルラジオになる前、何者でもなかった青春時代を振り返る「僕たちの夜明け前」のコーナーで中田敦彦が語るエピソードはどれも俺の心に響いた。DragonAshの「静かな日々の階段を」が流れた、映画「バトル・ロワイアル」を見ていない俺にとってはDragonAshのこの曲との出会いはこのワンコーナーだった。

「大事なのは光だけ あともう少しここにいたいだけ」

降谷建志の限りなく優しい歌声が響く、暗い闇に光がさすみたいに。

人気番組「アメトーーク」内でも強烈な印象を与えた企画「中学生の頃イケてない芸人」内での中田敦彦のトークに心打たれた、俺も全然イケてない青春時代だったからだ、冴えない青春時代だとしてもそのエピソードはいつか話して笑い話になる、救われた、心底。
アメトーーク」などで新世紀エヴァンゲリオンジョジョなど自分の好きな物について熱く語る中田敦彦さんのトークにも多大な影響を受けている。

先日放送された番組「グランドスラム4」にオリエンタルラジオが出演した。
登場するや否や「今夜のグランドスラムは事件が起きそうだ」と中田敦彦は叫んだ。
そして武勇伝が始まり、話題沸騰のパフォーマンス「PERFECT HUMAN」へと繋がっていく。

俺はリアルタイムで見ていて笑いながらも少し泣きそうになった。
あの頃のように、オリエンタルラジオがテレビでネタを披露している事への感動。

さながらそれは絶望の淵からのヒーローの生還を見届けたような。

中田敦彦の宣言通り、やはりグランドスラムで事件は起きた。
今、世の中は空前の「PERFECT HUMAN」ブーム。
ネットやテレビで話題殺到、これはある種の事件だろう。

オリエンタルラジオがヒーロー。
中田敦彦がヒーロー。

俺の人生を変えたラジオは、AMでもFMでもない、思春期に聴いたオリエンタルラジオだ。