2008年3月1日
初めて聴いたのは中学生の頃だ。「HELL-SEE」というアルバムを聴いた衝撃は忘れ難い。
よく寝る前に聴いていたイメージがある。
夜の暗い部屋、壁にぷすぷすと貼られた新世紀エヴァンゲリオンのカードが薄ぼんやりと目に飛び込む。
「あいさつは HELLO,HELL こんにちはいったいここはどこだ」
イヤホンの中、五十嵐隆が歌ってる。
あの頃学校の近くに本屋さんがあって、そこのCDコーナーには「delayed」「delayedead」「My song」「Mouth to Mouse」のアルバムが並んでいた。「いつか買いたいなー」と思っていたら月日は流れ、本屋さんは潰れてコンビニになっていた。
一応店内を探したが「delayed」も「delayedead」も「My song」も「Mouth to Mouse」も無かった。
高校生の頃、一時期メールアドレスに「hell-see」という文字を入れるくらいに俺はそのバンドがその音楽が好きだった。「HELL-SEE」の収録曲を聴くとふと夕暮れ時の高校の通学路の景色が浮かぶ事がある。
ある日の事だ。
本屋へ行った時、平積みにされてるロッキングオンジャパンが気になった。
表紙が銀杏BOYZだったからだ。
ふと表紙の端に目をやると衝撃的な事実が載っていた。
「嘘だろ」という言葉が思わず口からこぼれた。
「Syrup16g解散!」
表紙の端の小さな文字だったが俺にとっては大事件だった。
心に空洞が空いたような気持ちになったままロッキングオンジャパンを一冊買い本屋を出た。
そして2008年3月1日、Syrup16gは解散した。
I'm劣性、天才、リアル、神のカルマ、手首、真空、ソドシラソ、I.N.M、生活、......Syrup16gの楽曲にこれまで何度背中を押され救われたことだろうか。
これほどまでに心の最深部に共鳴し抱えた孤独に反響する歌があるだろうか。