R-1ぐらんぷり2016感想〜とにかく安心出来ないハリウッドザコシショウの強さを見た〜
キングオブコント、M-1グランプリ、THE MANZAI。
賞レースの決勝進出者を見る度に「なんでこの芸人が決勝行かないんだよ!めちゃ面白いのに!」と悔しい気持ちになったのは一度や二度では無い。
特に「R-1ぐらんぷり」についてはその悔しい気持ちが濃厚である。
ピン芸日本一を決めるこの大会。
キングオブコントは「コント」の大会だし、M-1グランプリとTHE MANZAIは「漫才」の大会。
しかし「R-1ぐらんぷり」は「ピン芸」の大会。
つまりピン芸であればいいので中身は一人コント、歌ネタ、モノマネ、フリップ芸もOKという波乱の大会なのだ。
あるのに」というような発言をしていたのも面白かった。
R-1ぐらんぷり2016、俺が大好きなヤナギブソン、中山功太、ヒューマン中村の御三方が決勝戦に出ないことを知り、「見なくてもいいや」という気持ちになっていたが、しかし結局「R-1ぐらんぷり2016」を見た。
ハリウッドザコシショウが決勝進出という一件だけが気になっていたというのもある。
R-1ぐらんぷり2016、ハリウッドザコシショウは一夜にして伝説となった。
黒いパンツ一丁という出で立ちは「安心してください、はいてますよ」でおなじみのとにかく明るい安村を彷彿とさせるが、同じパンツ一丁でもハリウッドザコシショウの場合は安心出来ない、自由でダイナミックな予測不能のショー、全力で繰り出されるモノマネは恐るべき程のパワーだった。
会場にいるお客さんの笑い声がテレビの画面越しによりクッキリと伝わってきた。
「会場を沸かす」という言葉があるがまさにこの事かと思った。
決勝で披露したコント、そのフォーマットは「モノマネをする」というシンプルな佇まいになっていたが、ネタの芯に秘めたコアさは決してブレず、長年笑いのスタイルを曲げずに見事R-1ぐらんぷり2016という晴れ舞台に上がったハリウッドザコシショウの姿に圧倒された。
最後のオチの一言が絶妙だったエハラマサヒロ、久々に「まえまえまえ」という持ちギャグも披露した小島よしお、絵心と世界観を爆発させたシャンプーハットこいで、敗者復活の勢いそのままに圧倒的熱量だったサンシャイン池崎、畳み掛けるようなスピード感がすごかったおいでやす小田、女性コントの新境地個人的には「待って、もう10月!?こわ」という一言ネタも聞きたかった横澤夏子、スタンダップコメディのような厚切りジェイソン、「こういうやつがiPhone作るぞ」の一言で不意打ちのように笑ってしまったルシファー吉岡、服を着て技巧派なフリップ芸を見せたとにかく明るい安村、「イオンの裏」のくだりがたまらなく好きだったゆりやんレトリィバァ、温もりを感じる卓越した人間描写と最高すぎる父と子の再会大喜利だったマツモトクラブ、しかしやはりハリウッドザコシショウの存在感とスタイルの圧勝だったと思う。