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何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

犯罪でしょでしょ?犯罪者とアニメ好きはいつまで結び付けられるのか。涼宮ハルヒの憂鬱と埼玉女子中学生誘拐事件。

設定したアラームよりも早く目覚めてしまった。
何となくTwitterを眺めていると気になるニュースが飛び込んでくる。

連日ワイドショーを賑わせている「女子中学生誘拐事件」のニュース。
背筋が凍るようなおぞましい事件だ。
始めに言っておくが、今回の事件を肯定する気持ち、犯人を擁護する気持ちは無い。

あるメディアで、その事件の容疑者である寺内樺風がアニメ好きと報道されたらしい。

同級生が寺内容疑者の素顔を語るという内容で、高校時代の寺内容疑者は「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメに夢中になりカバンにキーホルダーをつけていたと
話していた、との事。

報道されている情報によると、寺内容疑者は現在23歳。
時代的に彼が高校生の頃は「涼宮ハルヒの憂鬱」ブームが直撃していたのではないかと思う。

俺が高校生の頃も涼宮ハルヒの憂鬱は大人気だった。いわゆるアニメ好きじゃないクラスメートまでもが「涼宮ハルヒの憂鬱」を知っているくらいに。

アニメ好きじゃない俺も、当時友達にオススメされて第1話だけを見たことがあるが、第1話だけでも今までに無いようなストーリー展開にワクワクしたのを覚えている。
有名な学園祭のライブシーンは何回見ても鳥肌が立つくらいにすごかった。滑らかに動く演奏シーンと圧倒的な歌声、驚いた。
当時、カバンにキーホルダーをつけるくらいにこのアニメに夢中だった人間は何人もいたはずである、そのくらい「涼宮ハルヒの憂鬱」は単なるアニメ作品でなく一大ムーブメントを巻き起こしていた。

もう、アニメ好きと犯罪者を結び付けるような報道の仕方はやめてほしい。

ニュースで「涼宮ハルヒの憂鬱」は「女子高生が主人公の人気学園アニメ」と紹介されていた。
たしかに涼宮ハルヒを中心に女子高生キャラは何人か登場する、しかし作品を見ればわかるが、物語は男子高校生の「キョン」の目線で進行していくのだ、つまり主人公は男子高校生なのである。

多分今回のニュースでこの作品を知った人が「女子高生が主人公のアニメ?よっしゃー見てみようかなー」とニヤニヤしながら見ると予想を裏切られるような展開と「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品のクオリティに圧倒されると思う。

あの時代、涼宮ハルヒの憂鬱は作品だけでなく主題歌も大ヒットしキャラソンのCDも発売していた。エンディング曲のダンスを実際に踊ってみる人がいたり学園祭のライブシーンで演奏された曲を実際に演奏する人がいたりと
アニメの枠を越えてムーブメントが巻き起こっていた。
涼宮ハルヒの憂鬱」が好きでカバンにキーホルダーをつけていた若者が増えていたあの時代。あの時代に青春を過ごしていた今回の事件の容疑者。

狂気的な事件とアニメあるいはアニメ好きを結びつけたい世間のジメっとしたような悪意には正直うんざりだ。
狂気的な事件「何でこんなことをしたの??」と世間が持つ疑問も「容疑者はアニメ好き」と報道されると「あぁ、アニメ好きだから、なんか、そういう、ね」みたいに無理矢理納得して解消される感覚がある。

今回のこの事件は「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメ好きだから起きた事件では無いと思う。

アニメ好きだから犯罪を犯したわけじゃなく、犯罪を犯した人が偶然そのアニメが好きだっただけの話だと思う。

アニメをよく見るわけでは無いし「涼宮ハルヒの憂鬱」の熱烈なファンじゃないけれど、そんな俺でもちょっとこの報道のされ方は不愉快だと思った。