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FamilyMartってTommy heavenlyとちょっと文字の雰囲気が似てる気がするBlog

何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

今さらかもしれないけれど、やっぱり気になるから映画「君の名は。」を観てきた感想。

映画館を出た瞬間に、思わず着ていたロンTの袖を引っ張ってみた。
当たり前だけれど、自分の腕には何も書かれていない、誰とも入れ替わっていない。
夜空を見上げてみたが巨大な彗星は無かった。
映画を観た後の余韻が途切れないように、ポケットからウォークマンを取り出してRADWIMPSの「前前前世」を選曲し、再生する。聴きながら帰路へ。
もう10月8日、気が付けば夏は終わっている。

8月に公開された映画「君の名は。」は爆発的ヒットとなり、この夏を賑わせていた。朝のニュースの映画ランキングのコーナーでも1位になり、話題作になった。
映画が公開される結構前に、本屋へ行ったら店頭で映画の予告映像が流れていたのだが、もう予告を観た瞬間に「これは絶対俺が好きな映画だ」と確信した。

新海誠作品の熱烈なファン!というくらいでは無いが、それでも俺は新海誠の描くアニメーションが好きな方だと思っている。
何気なくテレビを観ていたら流れてきたCMの映像に心奪われ、ネットで調べてみたら新海誠によるCMだった事があるし、何年か前にTSUTAYAで久々に会った友達にオススメされて、唯一観た新海誠の「秒速5センチメートル」にはものすごく衝撃を受けた、思わず映画のテーマソングを歌う山崎まさよしのアルバムをTSUTAYAに借りに行くほどに。

今回の「君の名は。」の主題歌や映画の音楽はRADWIMPSが担当している。
RADWIMPSというバンドを知ったのは、昔偶然読んだ音楽雑誌だった。
記憶が正しければ「有心論」が発売される頃のもので、「有心論」を聴いた時には今まで自分が聴いた事のないような雰囲気と世界観の音楽に打ちのめされてしまったのを覚えている。
ちなみに俺がRADWIMPSで好きな曲は「有心論」「DADA」「揶揄」「へっくしゅん」「おしゃかしゃま」「ふたりごと」
でまだ聴いたことない曲も多くある。
今回映画「君の名は。」のテーマソングとしてRADWIMPSが世に解き放った新曲「前前前世」はとにかく最高だった。堰を切ったように感情があふれるあの疾走感と歌詞がとても印象的で今のところRADWIMPSで一番好きな曲かもしれない。
新海誠作品とRADWIMPSの音楽、この組み合わせが巻き起こすであろう物語の化学反応、映画を観る前から「絶対良いに決まってる」と思った。

映画「君の名は。」のあらすじをざっくりと説明すれば、田舎で暮らす女子高生「宮水三葉」と東京の都心で暮らす男子高校生「立花瀧」が夢の中で入れ替わってしまうという物である。
青春映画のある種クラシック中のクラシックである「男女が入れ替わってしまう」という内容だが、そこに「スマホ」というアイテムが加わってくるのが新鮮だった。
瀧と入れ替わった三葉は、憧れだった都会での生活を満喫する。
1日を終えて部屋に戻ると瀧がスマホで日記をつけている事を知り、楽しかった東京生活の1日を瀧の携帯に残す。
目が覚めた翌日、瀧がいつも通り学校へ行くと周囲の異変に違和感を感じ、明らかに自分じゃない誰かによって書かれたスマホの日記に驚く。それは入れ替わった三葉が夢の中で書いたはずの日記だった。
落語「芝浜」では現実で起きた出来事をそれは夢の中で起きた出来事なんだと言ってしまうシーンがあるが映画「君の名は。」の場合は逆である、夢の中で起きた出来事は全て現実で起きている。

瀧と三葉、お互いが入れ替わっているのは夢の中の出来事ではなくて現実世界で入れ替わっている事に気付いた2人、入れ替わった場合はどんな出来事があったのかを携帯に残す事を決め、時々起こる夢の中での入れ替わり生活を過ごしていく。
憧れの東京生活を楽しみながらもバイト入れ過ぎ!とグチる三葉、バスケの授業で活躍するなど今までにない三葉の面を周囲に見せ人気者になっていく瀧、このドタバタしつつもお互いの入れ替わり生活のシーンは観ていてすごく楽しかった。
しかしある日を境にして、瀧と三葉が入れ替わる事は無くなってしまった。
三葉と入れ替わる事が無くなった瀧は、入れ替わっていた時の記憶に残っていたであろう三葉が住む町の景色や情報を調べ、絵として残していく。そして入れ替わっていた三葉に会いに行く事を決意し三葉の住む町へ向かう、そしてここから物語は新たな展開へと動き出す。
正直、絶句した。
思わず「え、嘘でしょ?」と呟いてしまったくらいにあの展開には衝撃を受けた。楳図かずおの漫画『漂流教室』を読んだ時にも似たあの衝撃だった。
「このあとどうなっていくんだろう」と俄然、映画「君の名は。」の物語に俺はのめり込んでいった。

俺が大好きなラジオ「東京ポッド許可局」内でプチ鹿島が、アニメ作品にも造詣が深い、漫才師「米粒写経」のサンキュータツオから「秒速5センチメートル」をオススメされて作品を見る前に「蛍光灯のつきかただけでも見てくださいそこが全然違うんで」と言われたと話していた。新海誠のアニメーションの細やかな描写は本当に圧巻だった。三葉の住む町の景色や瀧が暮らす都会の風景、とにかく描かれているアニメーションその全てがハッとするくらいに美しかった。
美味しそうな目玉焼きとベーコン、炊き上がるお米、宮崎アニメばりにフード描写も巧みなのだが、やっぱり描かれる景色が好きだ。
自動販売機から出てくるBOSSレインボーマウンテンブレンドさえも新海誠の手にかかれば美しく鮮明だ。
「口噛み酒」という風習やしきたり、神社の夏祭りの描写なども三葉が暮らす「町」のディテールを色濃くより確かなものにしていく。
瀧が住む東京都心の街並みの美しさはもちろん、長澤まさみが声を演じる「奥寺先輩」の美しさが素晴らしい。
バイト先にいてほしい女性の先輩ランキング文句無しにNo.1だろう。
物語の重要なキーワードとなる「彗星」の描写も美しい。あと「彗星」を目撃して三葉や瀧が何か気付く時のあの音、あの音は心地良かった。

「夢の中で入れ替わる」という要素が出てきて思ったのだが、今まで自分が見てきた夢のほとんどが見たことない町が舞台だった。現実に見たことのある町や場所はほとんど出てきた記憶がない。例えば「学校」という場所が出てきても、そこにあるのは自分が通学していた学校では無く、全く行ったこともない知らない学校なのである。

もしかしたらあの町は日本のどこかに存在するのだろうかともちょっと思ってしまう。

映画「君の名は。」めちゃめちゃ面白くて個人的にはすごく大好きな作品です。