FamilyMartってTommy heavenlyとちょっと文字の雰囲気が似てる気がするBlog

何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

入れ替わるのは映画「君の名は。」だけじゃなかった「イタい」と「笑い」が入れ替わるコント師 うしろシティ。「うしろシティ 星のギガボディ」を聴いた。

「先生、じゃあ今度はベルベット・アンダーグラウンド流して下さいよ」

中学生の頃、英語の授業の時に先生がビートルズの曲を流してくれる事があった。
ある日の授業中、いつものようにビートルズの曲を流し終えた先生へ向って俺が言った言葉がそれだった。
ベルベット・アンダーグラウンドなんて名前しか知らないくせに、背伸びしたかったのだろう。
先生は少し苦笑いしながら「CDはどこかな?」と言ってくれた。
俺はCDは持っていなかった、ベルベット・アンダーグラウンドは流れずに英語の授業は終わった。

こんな思春期特有の「イタい」や「ダサい」が持つ独特で歪な「笑い」をコントに落とし込んでるコンビがいた。

阿諏訪と金子の2人によるお笑い芸人「うしろシティ」である。

学生に扮した2人が次の文化祭でバンドをやろうと計画する。金子は「いいよ!」と軽く承諾するも阿諏訪が考えてるバンド名や曲名の独特な発想に顔色が変わるコントや、バンド系で言うと記憶喪失になった金子に同じバンドの阿諏訪が「何も覚えてないのか!?」とバンドの名前やコンセプトを説明するという金子の「世界観強ぇな!」のツッコミが炸裂するコントも忘れ難い。
かつての「キングオブコント」決勝でも披露された、いかにも上京しそうな阿諏訪を金子が「阿諏訪くんみたいな人、いっぱいいるけど大丈夫!?」と不安そうに引き止めるコント、上京に憧れすぎてこじらせてる阿諏訪の若者描写が巧みですごく面白かった。

うしろシティのコントのセンスがすごく好きだ。
多分俺がうしろシティにハマるキッカケとなったコントがネタ番組で披露していた「町で偶然ぶつかった二人が入れ替わる」というコントである。
ある種古典的な「ぶつかった二人が入れ替わる」というテーマもうしろシティの二人にかかればスタイリッシュに豹変する。
バイト先に急いでいた金子は入れ替わった阿諏訪にバイトへ行ってくれるように頼む「あそこのローソンなんで」「無理ですよ僕も今からあそこのセブンイレブンバイトが」と言って焦っていた二人は「大丈夫そうですね」と落ち着く。
入れ替わっても意外に大丈夫だというこのコントがとにかく面白かった。
その後のお互いの彼女のくだりやスマホを巡るやりとり、オチの切れ味も全部好きでこのコントをキッカケにうしろシティのコントにハマりDVD「町のコント屋さん」「アメリカンショートヘア」「うれしい人間」を観てさらにハマっていった。

コント師うしろシティがコントではなく素で喋る、この衝撃は大きい。
ラジオ「うしろシティオールナイトニッポンR」をドキドキワクワクしながら聴いた。
ラジオ中に海外のバンド「コールドプレイ」の曲を流した阿諏訪はコールドプレイを知らないと話す金子に「コールドプレイ知らないの!?」と驚きを隠せなかったあのやりとりが印象的だった。

TBSで放送されていたラジオ「デブッタンテうしろシティとハライチの二組によるラジオ番組である。
一時期この番組にどハマりした俺は過去放送を聴き漁っていた。
ある日遠出するために車で出かけた時があったのだがほぼずっと「デブッタンテ」の過去放送ばかり聴いて運転していたのが懐かしく思える。
特にうしろシティの阿諏訪のフリートークと流す曲のセンスが強烈に好きでそこに惹かれていった。

デブッタンテが終了し、新たなラジオ番組が始まった「うしろシティ 星のギガボディ」である。

初回放送は「タイトル 星のギガボディ うしろシティ 阿諏訪泰義 作」という阿諏訪の一言から始まった。
そして阿諏訪によるポエムの朗読から始まった。

「大地は雨を手に入れて海を作った
レンブラントは筆を手に入れて
カンバスを染めた
ボブディランはギターを手に入れて
音を紡いだ
岡本太郎は爆発して
ジョンレノンは平和をせがんだ
僕らは一体何を手に入れた?
何を手に入れる?
そんな過去と自分と未来を照らす
みんなの心 ギガボディ
人間誰しもが持つギガボディの部分
それは時代を越えて
流動的に繰り返されるエレメント
そんな当たり前の事を考えながら
町を背に僕は行く
さぁ みんな 始めよう
今日もこりずに
夜がやってきたようだ」

ひっくり返りそうになる程、衝撃的なオープニングだった。
「何やってんだよ」と驚く金子、その後もポエムについて話す阿諏訪にツッコミをいれていく金子の発言にニヤニヤしてしまった。

第二回放送のネタコーナーで出てきた「バルログ」という単語からストリートファイターの話へ。バルログを好きで使っていたという阿諏訪、阿諏訪が当時聴いていたストリートファイターのCDの話で盛り上がる。
こういう懐かしさのあるエピソードトークが俺は本当に好きだ。

大人気ゲーム「ストリートファイター」でリュウやケンという主役な人気キャラではなくバルログを愛用していた辺り、やはり阿諏訪のセンスに惹かれてしまう俺がいる。