FamilyMartってTommy heavenlyとちょっと文字の雰囲気が似てる気がするBlog

何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

俺だって米津玄師になりたかった

「こんな最高な曲、どうしてもっと早く聴かなかったんだ」

 

ある日の夜、何気なく米津玄師の「アイネクライネ」を聴いた瞬間に俺はそう思い、今まで「米津玄師」を聴いてなかった分の空白を埋めるかのように、何度も何度も「アイネクライネ」のMVをYouTubeで再生していた。

 

「米津玄師」と書いて「よねづ けんし」と読む。本名。もう名前からして「ただ者ではない雰囲気」が漂っている。

1991年生まれの米津玄師は、俺とほぼ同い年で同世代である。

高校生の頃に動画サイトが流行り始めた世代、動画サイトを熱心に見ていなかった俺ですらも、思えばあの頃から初音ミクボーカロイドなんて単語をちょっと見聞きするようになっていた気がする。

正直、後からわかったことなのだけれど、あまりボカロ曲全般に詳しくない俺が唯一知っていて好きな曲「マトリョシカ」「パンダヒーロー」も、米津玄師が「ハチ」名義で投稿していた曲らしい。

つまり知らぬ間に米津玄師の曲にハマっていたのだ。

 

映画「何者」を見に、映画館へ行ったあの日、エンドロールと共に流れてきた曲は、米津玄師が中田ヤスタカとコラボした「NANIMONO」だった。

映画といえば、2017年に公開された「打上花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌も、米津玄師が作詞・作曲・プロデュースした名曲「打上花火」だった。

DAOKOとコラボしたこの曲は、一躍DAOKOと米津玄師の知名度を上げたと思う。

今まで、DAOKOや米津玄師を知らなかった或いは聴かなかった人々も耳を傾けるようになったと思うからだ。

地上波の音楽番組や朝のニュースにもDAOKOの「打上花火」が取り上げられた。

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」も映画館で見た、青春時代特有の無邪気さと甘酸っぱいだけじゃないほろ苦さに打ちのめされた。

エンドロールで流れてくる「打上花火」は、映画を見終えて現実に戻ろうとする自分と、物語の余韻に浸っていたい自分の狭間を揺らぐ波のように心に響いていた。

 中田ヤスタカ、DAOKOという要素はあるが、俺は映画館で米津玄師の曲を聴いていた事になる。

 

「米津玄師、そろそろ聴くか?まだ聴かないのか?」

その自問自答はずっとあった。

米津玄師は「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」で主人公の声優を担当した俳優「菅田将暉」とコラボレーションした名曲「灰色と青」を世に放った。

これまで「米津玄師いいよー」とオススメされたことも何度かあった。

どれだけ米津玄師をオススメされようとも、聴けないでいた。

今さら米津玄師の曲が好きだと叫ぶにはあまりに全てが遅すぎただろうか。

 聴いたら絶対にハマる予感はあった。

だけれどなかなか聴けないでいた。

それは予感と同時に「米津玄師」という同世代の圧倒的才能とカリスマへの複雑な感情があったからだ。

 

Wikipediaによると、米津玄師は影響を受けた音楽として、BUMP OF CHICKENアジカンRADWIMPSを挙げている。

 

わかる、もう超わかりまくる。

 

あの世代で、BUMP OF CHICKENアジカンRADWIMPSを聴いて影響を受けない人なんて皆無だと思う。

中学生の頃にBUMP OF CHICKENアジカンを聴いてガッツリと影響を受け、心酔していた俺だからこそ気持ちはわかる。

 

初めて聴いた「オンリーロンリーグローリー」友達の家に遊びに行った時に聴いて衝撃を受け、帰り道一人歌詞を忘れたくないからブツブツと口ずさみながら歩いた「グロリアスレボリューション」

当時大ヒットしたドラマ「野ブタをプロデュース」の放送中にゲームのCMと共に流れた「カルマ」

高校受験が終わった頃、受験勉強を頑張った自分へのご褒美として近所のTSUTAYABUMP OF CHICKENのアルバム「FLAMEVINE+1」を買いに行ったあの日の夕方をまだ覚えている。

俺の青春時代にBUMP OF CHICKENの音楽は必要不可欠だった。

 

高校生の頃は「アジカン」の音楽に何度救われたことか。

「或る街の群青」や「絵画教室」を聴けば、通学路の風景がふと浮かぶ。

「ブラックアウト」も「ブルートレイン」も「電波塔」も。

爽やかなだけじゃない、鋭さと青さが心地よかった。

たまたま見かけた音楽雑誌、「新星、爆発!」と書かれたその表紙にはRADWIMPSなるロックバンドが載っていた。

RADWIMPSの「ふたりごと」って曲がいいよ、とたしか高校生の頃に誰かが言っていた。

その新星が、彗星をキーワードにしたあの映画の主題歌「前前前世」で国民的ロックバンドになる遥か前の話である。RADWIMPSの「有心論」「揶揄」「へっくしゅん」を聴いたあの衝撃は忘れ難い。

 

BUMP OF CHICKEN

ASIAN KUNG-FU GENERATION

RADWIMPS

 

血肉となり影響を受けたロックバンドは同じ。

 

同じだからこそ、同世代だからこそ、米津玄師の曲はなかなか聴けないでいた。

 

だがある日「アイネクライネ」を聴いたのを皮切りに、米津玄師の曲を聴きたい!聴こう!という気持ちが芽生えた。

砂の惑星」「メランコリーキッチン」「LOSER」どストライクな曲を聴いて「やっぱり好きだわー米津玄師の曲」と思っていた。

思いながらも「嫉妬や妬みにも似た米津玄師への複雑な気持ち」が蟠っていた。

ある日、本屋で見つけた『EYESCREAM』という本の表紙が米津玄師だった。

それを見て米津玄師への「同世代でBUMPOFCHICKENやアジカンが好きで~」という複雑な気持ちが消し飛んだ。

「あ、でもやっぱり俺と米津玄師じゃ全然違う」と思い、気持ちが軽くなった。

透き通った気持ちで聴く米津玄師の「アイネクライネ」は、今まで以上にクリアに心に響いたのは気のせいだろうか。

 

多感な中学生の頃、BUMP OF CHICKENアジカンにガッツリと影響を受け、俺は楽器は演奏出来ないからと頭の中で「ナチュラル・カプサイシン・キラーズ」というバンドを考え、誰に発表するわけでもなくプリントの裏やノートに歌詞だけを書いていたあの頃の俺は、米津玄師にはなれない。「アンダーライト」「十六夜エモーション」曲名だけはちょっと米津玄師らしいか?

いや遠く及ばない。

今思い返せば、歌詞だけじゃ飽きたらずアルバムのジャケットまで描いていた。

ちなみに「これで最後だ!ナチュラル・カプサイシン・キラーズ」と書いた記憶があるから、残念ながらナチュラル・カプサイシン・キラーズは解散している。

 

ネットニュースによると、米津玄師が、3月14日にリリースするドラマ主題歌「Lemon」のMVが公開され、13時間で100万回再生を突破したらしい。

 

「Lemon」のMVを見た。

曲も初めて聴いた。

 

「切り分けた果実の片方の様に

今でもあなたはわたしの光」

 

という最後の歌詞に心打たれた。

 

「今でもあなたはわたしの光」

 

米津玄師というカリスマが放つ光は、いつだって優しく、切なく、そしてあたたかい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人生逆転バトル カイジ」世間の大人どもが本当のことを言わないならオレが言ってやるっ・・・・・・藤井健太郎は面白い・・・!

人気番組「水曜日のダウンタウン」などを手掛けるTBSプロデューサー、藤井健太郎さんの著書『悪意とこだわりの演出術』の中の「水曜日のダウンタウン」のスペシャルの時に流れるオープニング映像や音楽について書いた文章で、音楽を担当しているラッパーPUNPEEの「今日もテレビが面白いのはエキセントリック地獄の軍団さ」というリリックが最初は「今日もテレビが面白いのはエキセントリック藤井がいるからさ」というリリックだったがおこがましいしエキセントリックでないので直しをお願いした。というエピソードがあるのが、俺はこのPUNPEEのリリックに激しく共鳴した。

 

テレビが面白いのは藤井健太郎がいるからである。

 

12月28日の夜に放送されたバラエティ番組「人生逆転バトル カイジ」人気漫画『カイジ』の実写化バラエティという前代未聞の番組である。手掛けたのは藤井健太郎

「絶対とんでもない予感がする」と『カイジ』をちょっと読んだくらいの俺ですら心が「ざわ・・・ざわ・・・」とした。

 

鉄骨渡り、多数決カード、ペリカ双六というバラエティ番組とは思えぬ緊張感とスリルに満ちた内容、人生逆転をかけた出演者たちのバックボーンも濃厚で、とにかく衝撃的な仕上がりだった。ペリカ双六の「血」のマスのくだりは凄まじすぎて「頭おかしいでしょ」と思わず口からそんな言葉がもれてしまった、悪い意味ではなく、あまりの衝撃と面白さだったから。

実は『悪意とこだわりの演出術』の中にも「カイジ」の番組化について書いてある文章がある。「ドキュメントとエンタテインメントを結びつけた新しい形の番組ができたかもしれません」と書いてあったのだがまさにそうだった。

ただのバラエティで終わらず挑戦者たちの「その後」にも密着した「ドキュメント」のシーンもあり、それがこの番組をより立体的にしていた気がする。鉄骨渡り終了後の懇願の生々しさや多数決カードにおける心理戦の怖さ、それら全てが「ただのバラエティ番組」から逸脱した要素だった。

 

番組中に使用される音楽や映像などがやたらとカッコいいなと思ったら、Creative Drug Storが手掛けていた。ヒップホップユニット「THE OTOGIBANASHI'S」が所属するクリエイティブチームである。そりゃカッコいいわけだ。番組の音楽を手掛けたdooooやVaVaもバースを蹴ってる曲「CREATIVE ROOM」のVaVaのリリックをちょっとサンプリングするならば藤井健太郎こそがテレビ番組における「パンチラインメイカー」であり「トレンドな男」だと思う。

 

いつも面白い具合尋常じゃない。

 

 

燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読んだ。

「1999年夏。もしも地球が滅亡しなければ、ボクたちは一緒に生きていくはずだった」

 

読み終えて本を閉じると、帯にはそんな言葉が載っていた。

1999年の夏、俺は一体何をしていたんだろうか。

あの頃はまだ子どもだった。

小学生だった俺は「新世紀エヴァンゲリオン」も「ダウンタウンのごっつええ感じ」も「小沢健二」も知らなかった。

とにかく、ポケモンに夢中だった。

あの頃流行っていた「恐怖の大王がやってくる」というノストラダムスの大予言は見事に外れた。あの頃に愛読していたコロコロコミックではギャグマンガノストラダムスの大予言を面白おかしく「笑い」にしていた。

恐怖の大王がやってきて、地球が滅亡するなんて俺は微塵も思っていなかっただろう、多分。

 

90年代の小学生の頃の思い出やエピソードは、自分にとってまるで映画のようで、時々あの頃のエピソードを思い浮かべては「懐かしいなぁ」というノスタルジーな感情が持つ甘美な味わいを舌ではなく心で堪能していた。

懐かしい曲、懐かしい小説、懐かしいドラマなどなど。

KinKi Kidsの「硝子の少年」とWhiteberryの「夏祭り」を聴いてしまうと、無垢で無邪気な小学生の頃の思い出が頭を過る。

 

1999年の夏から時は流れて2017年。

気がつけばもう、社会人として働き始めて何年経つんだろうか。

時の流れの早さにゾッとする。

高校を卒業してすぐに社会人として働き始めて間もない頃の自分のTwitterのアカウントはまだ「ネットの海」に残っている。

2011年には「昨日パラノーマル・アクティビティを見た、めちゃくちゃ怖い映画」というツイートをしている。

 

アカウントを作り直したり消したりして、今のアカウントでTwitterを開始してどのくらいになるだろう。

少なくともあの頃よりはTwitterにハマっている気がする。

仕事でつらい時には「燃え殻」さんのツイートを読んでは奮い立たされたり癒されたりした。

俺はずっと「燃え殻」さんが紡ぐツイートのファンだった。

 

そしてついに、燃え殻さんの小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』が世に出た。

ウェブで連載していた頃から「書籍化しないかなぁ」と願っていたので嬉しくって仕方なかった。

 

そして気がつけば一気に読んでしまうくらいに、この物語にこの物語を紡ぐ言葉や文章に魅了されていた。

 

こんなにも繊細で面白くて愛しいラブストーリーがあっただろうか。

物語を構成する全19章1つ1つが映画1本分のドラマチックさと面白さを含んでいるし、物語の要所要所に散りばめられた固有名詞が、登場人物が呼吸する「年代」をより立体的にしている。

物語に入り込むという言葉があるが、ここまで入り込んだ、あるいは入り込みたくなる物語は他にあるだろうか。

最初の章のタイトルが「最愛のブスに友達リクエストが送信されました」だもうこの時点で今から紡がれる物語は最高だと確信した、そして一気に最後の章「バック・トゥ・ザ・ノーフューチャー」まで駆け抜けるように読んだ。

 

1999年夏、滅亡しなかったから俺も燃え殻さんも今生きている。「ボクたちはみんな大人になれなかった」今俺は大人になれているんだろうか。

Facebookを開けば同級生はちらほら結婚している。

「映画桐島部活やめるってよ二回も映画館に見に行った」なんて投稿してるのはあの夏は俺だけだった、多分、いや絶対。

まるで大人への階段を登り遅れたような切なさがあった。

それでも俺は音楽や映画や小説やお笑いが好きだった、大好きだった。

 

燃え殻さんがロックバンド「GRAPEVINE」についてツイートしていた。

俺も大好きなロックバンドだったから嬉しかった。

 

あれは中学生の頃だ。

椎名林檎のインタビューが読みたかったのと表紙のTommyheavenly6が可愛かったから買った音楽雑誌『MARQUEE』にGRAPEVINEも載っていた。高校生になって読み始めた桜井亜美の小説の、巻末解説を書いていたのがGRAPEVINEのフロントマン、田中和将だった。

GRAPEVINEの「羽根」や「HEAD」を聴くと中学生や高校生になったばかりの青春時代のあの頃を思い出してしまう。

 

あの頃の感情は、あの頃の音楽や映画やドラマや小説が覚えていてくれる。燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』もきっと今の俺の感情や思い出を覚えていてくれる予感がする。

 

Twitterやブログには熱く熱く感想を書くくせに、きっとFacebookには「燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読んだ。最高だった」みたいにシンプルな味付けで感想をアップしてしまうんだろうな、俺は。

 

でも読まずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』を読んだ。

深夜ラジオで自分が投稿したネタが初めて読まれた瞬間を今でも鮮明に覚えている。

 

朝井リョウ 加藤千恵オールナイトニッポンZERO」の「国境の長いトンネルを抜けると・・・・・・」というコーナーだ。

小説の書き出しの1文を考えるというこのコーナーで自分が考えたネタが読まれたのだ。カトチエが自分のラジオネームを読んでくれただけでも感激なのにその後のトークで「映像があっという間に浮かんだよね」「これすぐ短編書けるよね」「かけるかける」とお二方が話していてさらに感激だった。

嬉しすぎて自分の部屋に戻る時にかなり駆け足で階段を登ったくらいだ。『桐島、部活やめるってよ』『もう一度生まれる』『何者』を読んでいたくらいに好きな小説家に自分の考えたネタが届いたのだ、嬉しくないわけがない。

 

失恋したショックで一時的に音楽を聴く事が苦痛になり、音楽以外のものをと思いふと再生した『ナインティナインのオールナイトニッ本』の付録CDがキッカケで深夜ラジオにどハマりしていった。

初回放送「オッケーい!」という若かりし岡村隆史のがなりが新鮮だった、俺の知らないナインティナインがそこにいた。

これがキッカケになり、深夜ラジオを片っ端から聴き漁る日々、そんなある日「アルコ&ピースオールナイトニッポンZERO」と出会う。

本編もさることながら、名物ネタコーナーの「家族」と「アルコ&ピースの一週間」のクオリティが高すぎて太刀打ち出来ないと愕然とした。

自分が考えたネタは「セックス・ピストルズのCDを見つけてこれはエロくありませんと説教する武田鉄矢」みたいなやつだった当然採用されず。ハガキ職人のレベルの高さを噛み締めた。

様々な深夜ラジオにハマっていくと同時にハガキ職人さんの名前も覚えていくようになる。

ファイヤーダンス失敗、トゥルーマン翔、美しすぎる受付嬢、鳥獣戯画ジャクソン、ガイルガーゴイルなどなど。深夜ラジオを知らない人からすれば「?」となるような名前だが深夜ラジオリスナーからすればスーパースターがズラリと並んでいるような雰囲気である。

 オードリーのオールナイトニッポンの過去放送を聴いている時に「ツチヤタカユキ」という名前を知った。

採用率の高さと面白さに驚愕し「オードリーの若林さんに注目されているだなんてうらやましい」と思っていた。

 

ツチヤタカユキの小説『笑いのカイブツ』を読んでからは呑気に「すごいなーうらやましいなー」とだけ思っていた自分が恥ずかしくなってしまった。

本の帯にもあるように「青春私小説」であるこの作品はツチヤタカユキの青春時代を描いた作品だ。

お笑いが好きな著者が高校一年の時に「ケータイ大喜利」という番組で「レジェンド」になると決意したところから物語は始まっていく。

全てを犠牲にしてまで「お笑い」にのめり込み「面白いボケ」を考え続ける著者の描写には圧倒された。

「お笑いしかない」という覚悟の熱力と気迫が込められた渾身の文章、第一章の「ケータイ大喜利レジェンドになるか死ぬか」というタイトルからもハンパじゃない覚悟が伝わってくるだろう。

「お笑い」だけに全身全霊をかけて生きる著者と現実生活との軋轢や苦悩、特に恋愛について書かれた第3章は読んでいて泣きそうになった。そこに綴られた活字は巷にあふれるどんなラブソングよりも強烈で強靭な愛を掻き鳴らし歌っていた。

第2章でカラオケに行くエピソードがあり著者は6曲だけで歌える歌が尽きたと書いているのだが、その曲としてブルーハーツの「青空」BLANKEY JET CITYの「SWEET DAYS」フジファブリックの「若者のすべてGOING STEADYの「BABY BABY」毛皮のマリーズの「ビューティフル」ビートたけしの「浅草キッド」を挙げている。もう、なんだろうか、絶妙な選曲に嬉しくなってしまった。BLANKEYJETCITYもフジファブリック毛皮のマリーズも大好きなので。

 

全てを読み終えた瞬間、お笑いに全てを捧げながら青春時代を駆け抜けてきた著者の生き様に心打たれた。

 

フジファブリックの「若者のすべて」が聴きたくなり、何度も聴いた。

 

活字だから聞こえないはずなのに、ツチヤタカユキの心の叫び声が聞こえてくるような気がした。

 

その声はきっと、「お笑い」が好きな人そうでない人両方の琴線と涙腺に響くと思う。

 

 

 

 

 

 

2017年のANNR~なぜエル・カブキは太田光は生きていますと言わなかったのか~

ニュースを見る限り、ここ最近の世間では村上春樹小沢健二で話題で持ちきりだったように感じた。

村上春樹が新作小説を、小沢健二が新曲をそれぞれ発表したのだ。

村上春樹の小説は高校生の頃に読んだことがある。『回転木馬のデッド・ヒート』『アフターダーク』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の3作品を読んだ。もちろん、面白くなかったわけではないのだが、そこまでのめり込んだり没頭はしなかった。

村上春樹作品に傾倒していく事は無くて現在もこの3冊以外は読んでいない。

村上春樹の新作は『騎士団長殺し』というらしい。血の滴るような直球タイトルだ。

そういえば昔「マジック・ザ・ギャザリング」のカードゲームで遊んでいたら「殺し」というカードを見つけて「いや直球すぎるだろ名前」と思った事があった。

みんなが村上春樹作品に熱狂する中で俺が最近読んだ本は『騎士団長殺し』よりももっと過激でストレートなタイトル。

著者は樋口毅宏

読んでいたら作品中に「小沢健二」という単語が登場したので驚いた、タイムリー。

小沢健二樋口毅宏の小説を読んでいなければ、俺の中では「スチャダラパーとコラボした人」止まりのイメージでオザケンの曲を聴いていなかったと思う、間違いなく。

 

さて長々と書いてしまったが、自分の中で今1番熱い話題といえば村上春樹でも小沢健二でもなく「エル・カブキのオールナイトニッポンR」である。

何も知らない人からは「誰がわかるんだよ!」と言われそうだが、その「誰がわかるんだよ!」こそマニアックに芸能ネタや時事ネタを笑いで切り込んでいくエル・カブキのエル上田が漫才でよく使う名ツッコミである。

「毎回俺たちのターゲットどこなんだよ!」

というようなエル上田のツッコミが冴え渡る漫才はとにかく絶妙で着眼点が鋭い。

ルパン三世の実写化」についての漫才でボケ役のデロリアン林が「綾野剛」をプロインタビュアー「吉田豪」と言い間違えるネタにはめちゃくちゃ笑った。

そんなエル・カブキの「オールナイトニッポンR」が2月末についにオンエアされた。

開始早々リスナーを「乗組員」と呼ぶデロリアン林に「それキムタクがラジオのリスナー呼ぶ時にしか使わない言い方だから」と間髪入れずにツッコむエル上田。

そしてオープニングトークならぬオープニング漫才がスタート。

赤坂泰彦」「M-1グランプリ2001」を主軸にした漫才は「ノーマークから勝ち上がったダークホース」「ネタをシャウトする漫才界のロックンローラー」などと2001年M-1ファイナリストのキャッチフレーズまで飛び出しニヤニヤしながら笑ってしまった。

漫才は終了しその後のトークで「1番最初にやろうとしたツカミがある」と話し本当は「太田光は生きてます」と言いたかったと打ち明ける。

爆笑問題太田光が「ビートたけしオールナイトニッポン」にビートたけしの代理で出演した際に言った「ビートたけしは死にました」のパロディであろう。

かねてより「爆笑問題好き」を公言していたエル・カブキの二人、このエピソードが爆笑問題へのリスペクトを如実に物語っている気がする。

お笑い界への不平不満や本音をぶちまけていくエル上田の淀みない喋りがとにかく面白かった。

「息もできない!」「消しゴムあんのか頭に」という「もしかして結構映画好き?」と思わせるデロリアン林の絶妙なツッコミも良かった。

そんな「デロリアン林」によるコーナーが「デロリアン林プレゼンツ エル上田を泣かそう」だ。

このコーナーは、エル上田にネタのダメ出しや説教をされ泣かされているデロリアン林が、リスナーからエル上田を泣かせるような言葉を募集しエル上田を打ち負かそうとするというもの。

これがまためちゃくちゃ面白かった。

過去の宣材写真の目付きの悪さを指摘されたエル上田は、「90年代80年代のみんなが目付き悪いギラギラしたお笑いの世界に憧れて入った」「ああいう時代に戻したい」と語っていた。

 

そして番組後半では、エル上田が昔「よしもと」に所属していた一年目の頃にあった「ダイノジ」の「大谷ノブ彦」とのエピソードを話していた。

 

エル上田「ネタがね、受けなかったんだよそのー舞台で。俺も態度悪く地面蹴って、もうウケてたのになんで落とされんだっていう態度でバーって帰っていった、そのあとに俺はもう、すぐ帰っちゃったんだけど、大谷さんが舞台上で、さっきのコたちウケてたじゃないか何で合格じゃないんだって言ってくれたんだって」

 

尖り具合も青臭さも含め、全部がグッとくるエピソードだ。

 

ラジオで語られるこういう芸人のエピソードや本音トークは心の芯まで刺さる。

アイドルがいなくなっても僕らの日常は続く

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

なんて挨拶ももはや上滑りしているかのようだ、だってもう2月も終盤。

2017年になってからもう1ヶ月は経過している。

2016年の12月からブログを更新していなかったのだから仕方ない。

遅すぎる新年の挨拶でブログは幕開け。

 

年末年始に見た映画「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」がすごく良かった。

映画の舞台はスコットランドグラスゴー。のどかな町並みの美しさと雰囲気にまず心奪われる。主人公の「イヴ」を演じる女優「エミリー・ブラウニング」がすごく可愛くてこれまた心奪われた。海外の映画を見ていて「この女優さん可愛いなー」となる事はほとんど無いのだけれど、エミリー・ブラウニングは映画を見終えた後に思わずGoogleで検索してしまった。エミリー・ブラウニング演じる「イヴ」というそのキャラクターも魅力的だった。音楽の才能に秀でていて読書好き、だけれど心に傷を抱えている病気がちな女の子・・・・・・ずるいだろ、そんなキャラクター。

イヴ、ジェームズ、キャシーの三人がバンドを結成するというのが物語の主軸。

爽やかでレトロな雰囲気がたまらなく好きだった。良い映画を見た。

「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」を見た具体的な日付を知りたくて自分のTwitterを遡ったのだけれど何故だか1月の中盤までしかツイートを遡れず諦める。

 

ツイートを遡っていて思い出したのだけれど「冗談手帖」というバラエティ番組に大好きな漫才師「エル・カブキ」が出演したのも新年早々嬉しかった。

漫才師ってやはりカッコいいなとセンターマイクの前で喋りまくし立てるあの姿が好き。エル・カブキの漫才は時事ネタ芸能人ネタをベースにエッジの利いた目線で切り込むマニアックな知識が炸裂する。

爆笑問題浅草キッドを彷彿とさせるような毒舌と切れ味が持ち味。

とにかく面白い。

俺が好きな漫才師はエル・カブキ、金属バット、Aマッソ。

お笑いといえば「R-1ぐらんぷり2017」の決勝進出者が発表された。

うーん、やっぱりヤナギブソン中山功太ヒューマン中村の三人がいないR-1ぐらんぷりは物足りない。

マツモトクラブとルシファー吉岡の技巧派1人コントに期待。

巷で流行中のブルゾンちえみも決勝へ。

ブルゾンちえみのカレーのネタには不覚にも笑ってしまった。

あとネタ序盤にある高い場所の物を取れない時の「取れない」って言ってるブルゾンちえみの後ろ姿がちょっと可愛い。

うーん、でもやっぱりヤナギブソン中山功太ヒューマン中村が決勝にいないのは残念。

 

先日何気なくテレビを見ていたら「甲府UFO事件」という事件が取り上げられていて、気になってしまいネットで色々調べてしまった。

要約すれば子ども二人がUFOを発見し、宇宙人から肩を叩かれたという事件なのだがこの「宇宙人から肩を叩かれた」というのが絶妙だ。

子ども二人がUFOを発見しただけなら特別大きな事件では無いのだろうけれど、宇宙人を目撃しさらに肩を叩かれている。

ローラースケートで遊んでいた、怖くなって近くのお墓に逃げた、ぶどう畑にUFOがあったという細かいディテールもより事件のミステリアス具合を際立たせている。

発見した当時二人が描いた宇宙人のイラストも何とも言えない不気味さを含んでいて怖かった。真相が気になる。

 

2017年2月に私立恵比寿中学のメンバー、松野莉奈さんが亡くなった。

Twitterでこのニュースを知った時、信じられなかった。

私立恵比寿中学の熱烈なファンではない俺だが、昔仕事がしんどくて疲れた時期に聴いた私立恵比寿中学の「未確認中学生X」という曲のPOPさと底知れぬ明るさに救われた時があったので、やはり心が痛くなった。

本屋で何気なく見つけた過去のクイック・ジャパンが「私立恵比寿中学特集号」だった。「どうする、エビ中」と銘打たれたあまりにもタイムリーすぎるその特集。

松野莉奈のインタビューは「これからはもっと自分を解放していきたいな」という言葉で締め括られていた。

きっとこれからは曲の中で彼女は生き続ける。

 

アイドルがいなくなっても僕らの日常は続く。

 

2月23日。休日。

昨日夜更かししてしまったのが原因だろうか昼近くまで眠ってしまった。

用事があるので銀行へ行く。

「角田龍平のオールナイトニッポンPodcast」の過去回を聴きつつ洗濯をする。

 

音楽を聴きつつブログ更新したりパソコンしたり。

ウォークマンをシャッフルモードにして気ままに聴いた音楽はこんな感じ。

 

「愛しさは腐敗につき」 

Dir  en grey

 

「PHANTOM  PLANET」

BEAT CRUSADERS

 

「Boo-Wee Dance」

スチャダラパー

 

「この声」 

高橋優

 

「僕は恐竜」 

THE COLLECTORS

 

「最終列車」

Scoobie  Do

 

「lost in addiction」

OVUM

 

「スウィング#2」

小島麻由美

 

「おれのともだち」  

エレファントカシマシ

 

「濃藍」

LUNKHEAD

 

「FLAVOR FLAVOR」

KEYTALK

 

「ハチとミツ」 

ゆらゆら帝国

 

「Dance Dance Dance」

Mr.Children

 

「海ねこ」

スピッツ

 

「ガラス玉」

L'Arc~en~Ciel

 

「Sweet Soul Music」

nobodyknows+

 

「マイアミネガティブ」 

狐火

 

「Make Some Noizeeeeeeeeeeee!!!!」

The Mirraz

 

「ヴァイナル・ジャンキー」

0,8秒と衝撃。

 

「今を生きて」

ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

「Warning!!」

ORANGE RANGE

 

アタックNo.1

GO!GO!7188

 

「Triooo - VOL」

蓮沼執太フィル

 

「Black Rooster

The kills

 

ラムネの飲み方

SKE48teamKⅡ

 

「Raptus」

POLYSICS

 

「イカレテロ OBRIGARRD REMIX(track by OBRIGARRD)」

呂布カルマ

 

「おはようミカ」

毛皮のマリーズ

 

「業放キープローリン」

Jinmenusagi

 

「タンバリア」

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団

 

「ねこ子」

嘘つきバービー

 

「青春番外地」

サザンオールスターズ

 

「Good Old」

KLOOZ

 

「団地の子供」

ザ・クロマニヨンズ

 

裸足の季節

Number Girl

 

「砂漠の向こう(アルバムバージョン)」

小島麻由美

 

「キミシダイ列車」

ONE OK ROCK

 

「LOVER SOUL」

JUDY AND MARY

 

「GO FOR IT」

GOING STEADY

 

「スローなディスコにしてくれ」

サンボマスター

 

「明日へゆけ」

SUPER BUTTER DOG

 

「いたいけな秋」

斉藤和義Feat.Bose

 

サンデーモーニング

くるり

 

「You are the reason」

capsule

 

「チワワちゃん」

曽我部恵一BAND

 

「気が狂いそう」

KING BROTHERS

 

僕ハリガネロックが好きだ、中途半端な気持ちじゃなくて。ユウキロックの『芸人迷子』を読んだ。

高校を卒業し、社会人として働き始めたばかりの頃は、同じ高校を卒業し大学生になったばかりの友達とよく遊んでいた。

電車に乗り、その友達が住む町へと向かう。電車の中ではミッシェルガンエレファントの「バードメン」をよく聴いていたので、今でもあの曲を聴くと仙台市から泉市へ向かう電車の景色がふと頭に過る。
 
一人暮らしをしている友達の家で、くだらない話をして笑ったりするのが、とてつもなく楽しかった。
知らない町に1人で向かい、友達と自由気ままに出かけたり夜まで喋ったりする。
友達の友達も呼び、何人かで集まって宅飲みをしたりUNOをしたりした、誰かが持ってきたであろう知らない学校の卒業アルバムを見ながら可愛い女子を探したりした、終わらないでほしいくらいに幸せな夜がそこにあった。
 
友達と別れた帰り道、駅まで歩いている途中で寄ったお店であるDVDを見つけた。
「あ!ハリガネロックだ」
ハリガネロックは昔から好きな漫才師だったのだが、DVDを出している事は知らなかったので嬉しくなった俺は「ハリガネロック in 渋公爆発ロック」と銘打たれたそのDVDを買って帰った。
 
M-1グランプリ2016」が放送された余韻がまだ冷めやらないような12月、普段は特別「お笑い」に興味が無いような人も「銀シャリ面白いね」などと話していたんだろう。
ワールドカップやWBCが放送された翌日「昨日の日本の試合は白熱した」「あの選手のシュートが良かった」と盛り上がるように「スーパーマラドーナの漫才の構成が上手かった、ラストで予想外のオチがくるのはいい」と話したかったが残念ながら今年のM-1はリアルタイムで見る事が出来なかった。
仕事終わりにふと見たTwitterで結果を知った。
正直優勝者よりも敗者復活戦でもっと面白い漫才師がいたのにという気持ちが強かった。Aマッソの漫才が決勝の舞台で見たかった。「エル・カブキ、金属バット、ランジャタイがどうして決勝行かないんだ」と思った。
幼い頃からサッカーや野球に興味が無い俺が、こんなにも大会の結果に熱くなるのは「お笑い」だけである。
 
一番最初のM-1グランプリが放送されたのは2001年。
当時は小学校高学年だった俺は放送をリアルタイムで見ていた記憶がある。
番組冒頭からとんでもない熱量が画面越しに伝わってきた。
お笑いや漫才を熱心に見てきてない俺にすら「すごい大会が始まる」というのがわかった。
第一回目の決勝進出メンバーを見てみれば中川家フットボールアワーキングコングチュートリアルおぎやはぎと現在ではTVで大活躍中の人気コンビが勢ぞろいしている。今思えばフットボールアワー後藤は代名詞ともいえる「高低差ありすぎて耳キーンてなるわ」などの例えツッコミをしていないし、キングコング西野は絵本を描いたりしていない、チュートリアル徳井の妄想っぷりは影を潜めていたし、おぎやはぎは今ほど知名度の高い感じでは無かった気がする。
お笑いブーム前夜の雰囲気の中、TVのゴールデンタイムで全国区の番組でネタを披露出来る、夢のような大会がそこにはあった。
 
「疲れてる場合ちゃうぞ!」
黒い革ジャン、胸にはドクロマーク、ウォレットチェーン。
漫才師とは思えぬパンクな出で立ちの男は漫才の始めに客席に向かってそう言い放った。生放送の長丁場、最後に出てきた漫才師がハリガネロックだった。
淀みないユウキロックの喋りのスピードと面白さに圧倒された。
切れ味鋭いその漫才はまさにロックだった。ロックを聴く前にハリガネロックの漫才でロックを知ってしまった。
俺のロックの原体験はNIRVANAでもなければミッシェルガンエレファントでもなくブルーハーツでもなかった、一番最初はハリガネロックだった。
 
2004年、お笑い史における何度目かの「お笑いブーム」が直撃した時、俺は中学生だった。
ネタ番組をビデオに録画したりと中学生という多感な時期に「お笑い」にすっかり魅了されていた。
そんな2004年のM-1グランプリが強烈だった。
南海キャンディーズトータルテンボスPOISON GIRL BAND東京ダイナマイトが初の決勝進出を果たし、それまでには無かった新たなる風が吹き荒れていた。
あの年以降、M-1グランプリを熱心に見るようになりさらに「お笑い好き」の気持ちを高ぶらせていった。
スポーツが苦手でプロ野球サッカーワールドカップを観る事に一切興味無かった俺が唯一熱くハマったものが「M-1」だった。
 
しかし2004年以降、ハリガネロックM-1グランプリの決勝の舞台にはいなかった。
 
ハリガネロック in 渋公爆発ロック」を観たあの日「あぁ、やっぱり俺はハリガネロックの漫才が大好きなんだな」と心底思った。
漫才師のあのシルエットのカッコ良さは何なんだろうか、センターマイクの前に立つ漫才師のあの佇まいに憧れた。
舞台に立ち、喋り、爆笑を掻っさらう。
とにかくカッコ良かった。
 
不平不満や本音を言うのが苦手な俺が、キレキレの口調で世間の風潮や道行くカップルにまで漫才中に「ボヤキ」を炸裂させるユウキロックのストレートな芯の強さに憧れたのかもしれない。
 
人生で一度だけ、漫才をしたことがある。
 
社会人として働き始めたばかりの頃、夜に友達何人かでカラオケに行った事があった。その時に「一発ギャグ大会をしよう」というようなノリになったのだ。
「一発ギャグ大会」と言うのに「ピストルのおもちゃが入ったおもちゃ会社の営業マンの持つカバンと本物のピストルが入った殺し屋のカバンが入れ替わる」という一人ショートコントを演じた俺がキンキンにスベッた事はさておき、その場のノリで友達と漫才をすることになった。
 
憧れの漫才が出来る。
 
テンションが上昇した。
 
真夜中のカラオケボックス、見えないセンターマイクに向かって俺は喋りまくった。
「真夏にプールにいったらブサイクばかりでね」と柄にもなく毒舌をぼやいたのは、きっと俺の「笑いの血」にハリガネロックの漫才が脈々と流れているからかもしれない。
 
漫才をした。
 
嬉しくて仕方がなかった。
 
あの日俺は一瞬だけ「ユウキロック」に「漫才師」になれた気がした。
 
2014年、ハリガネロック解散した。
 
「嘘だろ」と思わず呟いてしまった。
大好きで憧れに憧れた漫才師が解散した。
そして漫才師「浅草キッド」の水道橋博士を筆頭に名だたる著名人が連載しているメルマガ「博士のメルマ旬報」でユウキロックの連載が始まった。
「芸人迷子」というタイトルのその連載には漫才師だったユウキロックが全身全霊を注ぎ、赤裸々に、裸どころか体内の血管や骨すらもさらけ出すぐらいの勢いで漫才師としての生き様と終わりがそこに書き連ねてあった。
 
伝説になった2005年のM-1グランプリブラックマヨネーズの漫才の衝撃、漫才とは何か漫才師とは何かお笑いコンビとは何か、その問いに血眼になりながら冷静に答えていくユウキロックの姿を想像してしまった。
 
連載が開始した頃からずっと「書籍化してほしいな」と願っていた。
2016年に願いは叶った。
ユウキロックの「芸人迷子」が書籍化された。
 
嬉しくて仕方なかった。
 
「芸人迷子」を読んだ。
ページをめくる度にユウキロックの告白はより濃さを増し白熱していく。
漫才師としての生き様が深く深く刻まれていく。
 
最後の方に綴られていた千原ジュニアのエピソードには特に胸を貫かれた。
俺がユウキロックと同じくらいに、いやそれ以上に憧れに憧れているのが千原ジュニアだ。
その章に書いてある「ジュニアさんの一言一言が今でも俺の指針になっている。」という一文に激しく頷いた。
千原ジュニアの著書や「チハラトーク」のDVDに多大なる影響を受け指針にしていた俺だからだ。
 
久々にミッシェルガンエレファントの「バードメン」が聴きたくなった。
 
「イナズマを呼んできてほしいと言え」とチバユウスケは歌う。がなる。
 
チバのがなり、ユウキロックのぼやき、絶望も暗闇も全部切り裂いてくれるのはロックとお笑いだと俺は思う。