青春、星座。
中学生の頃の話だ
ある日の事、親友から、ハマっているロックバンドの名前を教えてもらった。
「シロップ16g」
名前からして衝撃的だった。さらに衝撃的な事を教えてもらう。
「血を吐く女の人の歌がある」
衝撃に衝撃が重なった。
気になった俺は、後日、近所のTSUTAYAでアルバム「Hell-see」を購入した。
曲目を確認すると「吐く血」という曲がある。このアルバムで間違いない。
夜に、ドキドキしながら聴いた。
一曲目の「イエロウ」が流れてきた瞬間、心を鷲掴みにされた。
切れ味がある歌詞、暗く静かに響いてくるサウンド。
カッコいい。
中学生の俺は一時期、気になったアーティストやロックバンドに、自分なりのキャッチコピーを付けるという行為にハマっていた。
ノートを開いて「シロップ16g」と書くと、こう書いた。
「ビューティフル・ネガティブ」と。
中学生の頃、近所にある本屋さんのCDコーナーに、シロップ16gのCDがあった。
確か「タクシードライバー・ブラインドネス」だった記憶がある。
友達と「いつかこのCD買いたいな」なんて話していたら、その本屋は潰れてしまい、コンビニになった。
店内を見ても、タクシードライバー・ブラインドネスのCDは売って無かった。
中学生時代を振り返るアイテムとして卒業アルバムがあるが、アルバムはアルバムでも、俺の場合はそこにバンプオブチキンのアルバムと、シロップ16gのアルバム「hell-see」を加えたい。
俺の青春時代の、テーマソングみたいな音楽なんだ。
大好きで当時よく聴いていた音楽が、記憶する風景は思ったよりも鮮明で細やかな印象がある。
親友と電話したり会って遊んだりすると「中学生時代」の話になる事が多い。俺は懐かしい昔のエピソードを聞いたり、話したりするのが大好きだ。
退屈な毎日に溺れそうな俺を、妄想力と巧みな話術の馬鹿力で引き上げてくれる。
伊集院光さんが、中学生の頃のクラス会に行った時の話を聴いた時、面白さに笑いながらも、ノスタルジーにもよく似た、懐かしい気持ちが重なった。
青春時代を思い出しながらのおしゃべりは、懐かしさと面白さが混じり合う。
俺は、その感覚が大好きなのかもしれない。
今夜は友達と一緒に夕飯を食べに行く。
楽しみだな。
「あれ楽しかったよね」「あーあの時のさ」そんな風に話していくと、点々とエピソードが繋がって「青春時代」という星座が浮かび上がる感覚がするんだ。
星座。
お笑い男の星座。
水道橋博士は俺の憧れの人物である。
活字界という広大な宇宙空間の中で、まばゆい光を放つ「博士のメルマ旬報」は俺にとっての憧れの星座だ。
いつの日か、連載したい。
そんな憧れをエネルギーに、俺は俺の日々を思いを過去をブログに刻んでいく。