ダイノジ、めちゃイケを救ったラジオスターじゃない方芸人
朝早くから仕事だった事と、夕食の時に氷結ストロングゼロを1缶飲んでしまったのが原因だろう、睡魔襲来、こたつに入ってウトウトしていた。
「めちゃイケ見たいなーでも眠いな」
そんな事をボンヤリ思っていたら、つけっぱなしのテレビからめちゃイケが流れてきた。
眠気が吹き飛んだ。
眠気と同時に「三ちゃんファンでも無いしフジ縛霊見れたらいいや」という軽い気持ちも吹き飛んだ。
俺は、めちゃイケの熱烈なファンでは無い、それこそオンエアをずっと追いかけているわけでもないし「とぶくすり」時代も知らない。
小学校の後半、中学生になるかならないかくらいの頃から気がつけば「めちゃイケ」を見ていた。
当時は社会問題となった映画「バトルロワイアル」をパロディにするその姿勢も含めて。
大人になってからでも、ふとした時にめちゃイケを見ると笑ってしまうことがある。
最近だとやはり「フジ縛霊」のコーナーである。
今回のめちゃイケは「三ちゃん」がメインの企画だった。
めちゃイケの新メンバーオーディションで選ばれた一般人である。
新メンバーオーディションによって装いも新たに「めちゃイケ」は次章へ向かっている気がした。
賛否両論の声を浴びながら、時には視聴者からの批判も浴びながら、バラエティ番組の代表として常に第一線を退かない存在、それがめちゃイケだと思っていた。
三ちゃんの熱烈なファンでは無い。
でも何気なく見るとドッキリ企画はやはり面白いし笑ってしまう。
今回のめちゃイケの企画はシリアスだった。
要所要所にメンバーの面白い一言はありつつも(濱口に対しての矢部の「いつから標準語なったん?」など)全体的にはどことなくマジメな空気が立ち込めていた。
オファーシリーズなどでもその「ドキュメンタリーな視点」を持ち込むことで他のバラエティー番組には無い深みを増す事があるめちゃイケだが、今回もマジだ。バラエティー番組でおなじみの華やかな舞台セットは影を潜め、会議室らしき部屋で話すめちゃイケメンバーと三ちゃん。
「プロレス企画をやめてお笑いをやりたい」以前放送された三ちゃんのプロレスデビュー企画はなかなかに過酷で、勝手ながら三ちゃんという人物とプロレスというカルチャーは相性が良くなかったと感じた。
正直、見ていて何とも言えない気分になり途中で見るのを断念してしまった。
プロレスの事は無知だがプチ鹿島、博多大吉、水道橋博士などがメディアで熱く語る姿を知っているので並々ならぬ愛を持つ方が大勢いる世界だと思っている。だからこそ番組でプロレスの世界に踏み込むのはかなりの覚悟がいるかと思ったのだ。
会議室で、本音を切り出せない三ちゃんにメンバーからの声が上がる。
俺は特によゐこ濱口の発言が印象的だった。
よゐこ濱口も真剣だった。
「ナイナイのかっこいい部分だけをやりたいんじゃない?それはズルいよ」
ナイナイ、特に岡村隆史への憧れを持ってめちゃイケ新メンバーオーディションの扉を叩いた三ちゃんにかける言葉としてはあまりにも過酷だが、そんな過酷な言葉を投げざるを得ないくらいに、この時のよゐこ濱口は真剣だったのだろうと思った。
お笑い芸人を目指し、相方と組んでネタ見せをしているシーンへと場面は切り替わる。
ダイノジ。
番組後半、「フジ縛霊」の映像が流れる。
そこでダイノジのトークがピックアップされていた。
「俺ら(オーディション)落ちてんすよ」と相変わらずかすれた声で大谷ノブ彦は言った。
以前の「フジ縛霊」でもはねトビメンバーのトークが盛り上がった時に後ろの列にいた大谷ノブ彦が「いや、でも俺落ちてるからね」というような発言をしていた。はねトビメンバーを発掘した「新しい波8」の事だと思う。明らかにトークのアクセルを強く踏み込みnetsuが炸裂するかと胸が高まった瞬間に、加藤浩次がラジオDJのネタをふった。
あれは番組の雰囲気を考えての機転だと思う。
大地さんの悔し涙に思わずもらい泣きしそうになった。
もう一度めちゃイケオーディションを受けるべきだのあの一言で、迷走していた番組の空気が変わった気がした。
今後、めちゃイケの行方はどうなっていくのだろうか。
バラエティ番組の代表格としてどうか沈まないでほしい。