FamilyMartってTommy heavenlyとちょっと文字の雰囲気が似てる気がするBlog

何気ない日常、音楽や映画や小説やテレビなどの感想。

ダイノジ、めちゃイケを救ったラジオスターじゃない方芸人

朝早くから仕事だった事と、夕食の時に氷結ストロングゼロを1缶飲んでしまったのが原因だろう、睡魔襲来、こたつに入ってウトウトしていた。
めちゃイケ見たいなーでも眠いな」
そんな事をボンヤリ思っていたら、つけっぱなしのテレビからめちゃイケが流れてきた。

眠気が吹き飛んだ。
眠気と同時に「三ちゃんファンでも無いしフジ縛霊見れたらいいや」という軽い気持ちも吹き飛んだ。

俺は、めちゃイケの熱烈なファンでは無い、それこそオンエアをずっと追いかけているわけでもないし「とぶくすり」時代も知らない。
小学校の後半、中学生になるかならないかくらいの頃から気がつけば「めちゃイケ」を見ていた。
「STAMP 8」「めちゃイケお笑いバトルロワイアル」の勢いに圧倒された、衝撃的だった。
当時は社会問題となった映画「バトルロワイアル」をパロディにするその姿勢も含めて。
数取団」「期末テスト企画」「SMAP中居正広との旅企画」「笑わず嫌い王」「モー娘。修学旅行」「高橋みなみドッキリ」など様々な「笑い」がそこにはあった。
フジテレビ警察24時」内でテレビ局内に突如出現したダースベーダーからライトセーバーを奪いそれを膝で折った加藤浩次の姿には本当思いっきり笑ってしまった。
もちろん「笑わず嫌い王」のくりぃむしちゅーの漫才に、さまぁ〜ずのコントにも「近くへ行きたい」での出っ歯のコスプレが目立つ矢部浩之の一挙一動にも。
大人になってからでも、ふとした時にめちゃイケを見ると笑ってしまうことがある。
最近だとやはり「フジ縛霊」のコーナーである。

今回のめちゃイケは「三ちゃん」がメインの企画だった。
めちゃイケの新メンバーオーディションで選ばれた一般人である。
新メンバーオーディションによって装いも新たに「めちゃイケ」は次章へ向かっている気がした。
賛否両論の声を浴びながら、時には視聴者からの批判も浴びながら、バラエティ番組の代表として常に第一線を退かない存在、それがめちゃイケだと思っていた。

三ちゃんの熱烈なファンでは無い。
でも何気なく見るとドッキリ企画はやはり面白いし笑ってしまう。
けれど「めちゃイケオーディションに合格した一般人」という特殊なピースをめちゃイケというパズルにどうはめ込むか、その方法を模索しているように思えた。

今回のめちゃイケの企画はシリアスだった。
要所要所にメンバーの面白い一言はありつつも(濱口に対しての矢部の「いつから標準語なったん?」など)全体的にはどことなくマジメな空気が立ち込めていた。
オファーシリーズなどでもその「ドキュメンタリーな視点」を持ち込むことで他のバラエティー番組には無い深みを増す事があるめちゃイケだが、今回もマジだ。バラエティー番組でおなじみの華やかな舞台セットは影を潜め、会議室らしき部屋で話すめちゃイケメンバーと三ちゃん。
「プロレス企画をやめてお笑いをやりたい」以前放送された三ちゃんのプロレスデビュー企画はなかなかに過酷で、勝手ながら三ちゃんという人物とプロレスというカルチャーは相性が良くなかったと感じた。
正直、見ていて何とも言えない気分になり途中で見るのを断念してしまった。
プロレスの事は無知だがプチ鹿島、博多大吉、水道橋博士などがメディアで熱く語る姿を知っているので並々ならぬ愛を持つ方が大勢いる世界だと思っている。だからこそ番組でプロレスの世界に踏み込むのはかなりの覚悟がいるかと思ったのだ。

会議室で、本音を切り出せない三ちゃんにメンバーからの声が上がる。
加藤浩次光浦靖子も真剣だった、多分本心だと思う。
は特によゐこ濱口の発言が印象的だった。
めちゃイケ」では名物キャラクターを数々生み出し愛すべき「おバカキャラ」だった彼の姿はそこには無かった。
よゐこ濱口も真剣だった。

「ナイナイのかっこいい部分だけをやりたいんじゃない?それはズルいよ」

ナイナイ、特に岡村隆史への憧れを持ってめちゃイケ新メンバーオーディションの扉を叩いた三ちゃんにかける言葉としてはあまりにも過酷だが、そんな過酷な言葉を投げざるを得ないくらいに、この時のよゐこ濱口は真剣だったのだろうと思った。

お笑い芸人を目指し、相方と組んでネタ見せをしているシーンへと場面は切り替わる。
神保町花月でのネタ見せのシーン、ナイナイの漫才の代表的なフレーズを漫才に落とし込んでいたがあれは岡村隆史への憧れが故のサンプリングかもしれない、多分。
そういえば神保町花月といえば、昔ダイノジのトークライブを見た場所でもある。
ダイノジ品川庄司のトークは面白く笑いっぱなしだった。


ダイノジも三ちゃんと同じく「めちゃイケ新メンバーオーディション」を受けたが、最終選考で落選した。
ダイノジのライブDVD「I LOVE TOKYO」を何度も見て大谷ノブ彦のブログを貪るように読んでいた当時の俺は、ダイノジの落選にはショックを隠せなかった。

番組後半、「フジ縛霊」の映像が流れる。
そこでダイノジのトークがピックアップされていた。
「俺ら(オーディション)落ちてんすよ」と相変わらずかすれた声で大谷ノブ彦は言った。
以前の「フジ縛霊」でもはねトビメンバーのトークが盛り上がった時に後ろの列にいた大谷ノブ彦が「いや、でも俺落ちてるからね」というような発言をしていた。はねトビメンバーを発掘した「新しい波8」の事だと思う。明らかにトークのアクセルを強く踏み込みnetsuが炸裂するかと胸が高まった瞬間に、加藤浩次がラジオDJのネタをふった。
あれは番組の雰囲気を考えての機転だと思う。

今回、大谷ノブ彦の言葉の後に聞こえてきたのは加藤浩次ではなく相方大地洋輔の声だった。

大地さんの悔し涙に思わずもらい泣きしそうになった。

もう一度めちゃイケオーディションを受けるべきだのあの一言で、迷走していた番組の空気が変わった気がした。

今後、めちゃイケの行方はどうなっていくのだろうか。

バラエティ番組の代表格としてどうか沈まないでほしい。








「ツギクルもん2」「ENGEIグランドスラム4」感想

2月13日に放送された「ツギクルもん2」と「ENGEIグランドスラム4」の感想です。

まずは「ツギクルもん2」から。

しゃかりき
「太ももモノマネ」
着眼点がすごい。
おのののかからとにかく明るい安村まで。

コロコロチキチキペッパーズ
「男らしい彼氏」
ナダルが革ジャンを着ているだけでもう面白い。

アイロンヘッド
「怖すぎてウルトラマンみたいな声出てまう」
これぞショートネタ。かなり笑った。

メイデン玉砕
ラジコンヘリを一瞬で消します」
初見。たしかにラジコンヘリを一瞬で消していた。

チョコレートプラネット
「京都非公認ゆるキャラわらび舞妓ちゃん」
チョコプラはこれより面白いコントはあるのに、歯がゆい。

アキラ100%
「SEKAI NO MARUGOSHI」
「ドラゲナイ」を真っ向からイジる勇気、すごい。

中山女子短期大学
「共通点を歌い上げます」
一瞬ZAZY!?かと思ったら中山女子短期大学だった。
歌ネタとフリップネタの絶妙なバランス。
これは口ずさみたくなる。

ヒガシ逢ウサカ 今井
「倒れるまでに坊主頭あるあるを言います」
一撃必殺の笑い。

「テンパった時の対処法」
ハンコから地球滅亡までの幅広さ。

ガリットチュウ
「ものまねソムリエ」
このガリットチュウのものまね何種類でも見たい。
「似てる!」とかよりも「もっと見たい!」と思うものまね。

「ポイ捨て禁止」
ネタ後、おぎやはぎ小木が言った「ついていけないよー」の一言が全てを物語るこれも一撃必殺の笑い。

天狗「バスケパンツ2人穿き」
スタイリッシュ。

アキナ「奇妙な先輩」
破天荒なネタが続いた後だからなおさらアキナの清純派なコントが心に響く。
「ピーターパンは焼いたら食べれるから」はパンチライン
序盤の携帯電話のくだりが良かった。

ヘンダーソン「石焼き芋
最近ネットで話題になっているらしいこのネタ。
石焼き芋というやや古典的なシチュエーションに新たな切り口。
ラップの上手さはもちろんポイントはやっぱり歌声だと思う。
「そうそう、こんな感じの曲歌う人ってこういう歌声だ」とピンとくる絶妙さ。

ニューヨーク「合コン後の報告」
ややダーティーな雰囲気漂うやんちゃな大人の漫才。ここで番組の流れを変えるニューヨーク、面白かった。
ニューヨークのラジオ「ニューヨークのオールナイトニッポンR」「ニューヨークのこの時間、アンテナ調整してるんだったらやらせてください。」を聴いた事があるのだがすごく面白かった。
願わくばオールナイトニッポンZEROとかで番組をしてほしいなと思ってる。

「手の長さだけでも覚えて帰ってください」
初見。手の長さを活かしたダイナミックな漫才だった。

ギャルズ戦艦蓮見。「止まれない男」
一撃必殺の笑い。
ギャルズ戦艦蓮見。さんがネタをした後、このネタに挑戦した松岡茉優が可愛いかった。
ツギクルもん2、ENGEIグランドスラム4両方に言えるのは松岡茉優がすごく可愛いかったということ。

「二つの言葉を同時に言います」
SMAPと嵐でさだまさし。絶妙。

ハブサービス「タイツと芸術」
インパクト大。
しかし、漫才にしろコントにしろ東京在住じゃない俺としては、ネタの中で東京都内の電車の路線図などを用いた「笑い」が含まれるとイマイチピンとこない部分があったりする。

続いては「ENGEIグランドスラム4」へと。

矢継ぎ早に繰り出されるハゲネタ漫才は圧巻。「くだらないー」と言いつつも大笑いしてしまう。
NSCトレンディエンジェルの二人が特別授業をした件をネットで見たけれど斎藤さんが「もともとラーメンズバナナマンのようなコント師になりたかった」というような発言をしていたのには驚き、意外。
トレンディエンジェルと同期であるオリエンタルラジオオリエンタルラジオ中田敦彦もかつて雑誌『コメ旬』のインタビューで「ラーメンズバナナマンに憧れていた」というような発言をしていたので、ある種「ラーメンズバナナマン世代」なのではないだろうか。

ロバート「小学生版画クラブ」
小学生の版画のあの説明が難しい独特な面白さをコントで魅せたロバートの手腕は凄い。

ナイツ
スターウォーズSMAPという壮大なテーマをほとんど指や声マネであえてとことんチープに表現するその漫才のギャップに笑った。

「はちゃめちゃ拳法」
もう何年も前になるけれどあるネタ番組で披露していたのがこのコントだ、懐かしい。
とにかく面白くてドランクドラゴンにハマるキッカケともいえるコントだったので、何年かぶりにテレビで見ることが出来たのは嬉しかった。

盛り上げる力が凄まじい。

ハリセンボン「女子高生まひろ」
「〜じゃねーよ」でお馴染みの春菜がまさかのボケ役でこれが傑作。
春菜演じるJKがインパクトありまくり。薄っすら漂う狂気が最高。
マジックマックスタイフーン。

「家が燃えています」
アンジャッシュはテレビのネタ番組でよくこのコントを披露している気がする。児島のキャラクターが「家が燃えています」が持つインパクトをいいバランスで怖すぎず笑いにしているイメージ。
何も知らないバカバカしさが漂う面白さ。

ロッチ「変なノリ長いやつ」
中岡さんの変なノリ最高。
ロッチのネタで一番好きかもしれないと思った。

バカリズム「はやすぎた男」
懐かしいこのネタ。発想力に脱帽。
百メートル走のタイムがはやすぎた場合どんな事が起こり得るかの大喜利

「武勇伝」からの「PERFECT HUMAN」もう登場からしてカリスマ性を発揮。
オリエンタルラジオが「武勇伝」で世に登場しお笑い戦国時代を驀進していく姿を中学生の頃にリアルタイムで目撃していた、「デビュー1年目でナイナイさんと共演!」と咆哮したあの中田敦彦の目の鋭さ、忘れ難い。間違いなくオリエンタルラジオは俺にとってのヒーローだ。
ラジオのワンコーナー「僕たちの夜明け前」の中田敦彦パートを聴いて深く感動し、『マンスリーよしもと』での連載「芸人前夜」を貪るように読んでいた。正直に言えば中田敦彦に憧れているのだ。
今回のENGEIグランドスラムでも序盤に披露した武勇伝、一時期テレビで武勇伝ネタを披露するといえば「1日2ミリバス停ずらす2年を費やし自宅の前へ」という代表的なフレーズを繰り返していたが、最近はネタ番組で披露する度に新しい武勇伝を準備していてそれがすごく好きだ。
やはり武勇伝はリズムネタとしても一言ネタとしても天才的なポテンシャルだと思う。
オリエンタルラジオが武勇伝で大ブレイクした頃のお笑いブームは、今よりも歌ネタリズムネタが多かった気がする、ネタの内容は芸能人への毒舌ネタ、身近なあるあるネタが主流だったのに対し「面白さ」を追求したネタをメロディーに乗せていたオリエンタルラジオはやはり段違いのインパクトだった。

千鳥 千鳥はクセがすごい、面白いが。

すち子&真也
真也さんの着ているスーツがダークナイトのジョーカーみたいだった。

久々に「よろしこ」を聞いた。
やすともが出るとネタ番組の濃度がグッと上がる感じがする。
女性漫才師の到達点。
浪速のしゃべくり漫才の強さを見た。

ハライチ
オープニング、センターマイクの前に立った岩井さんの目線、佇まいが一瞬爆笑問題の太田さんに見えた。
世間一般ではやはり「じゃないほう芸人」なんだろうか岩井勇気
「デブッタンテ」での岩井さんのフリートークの面白さはすごく好きだし『お笑いラジオの時間』の岩井さんのインタビューを何度も読み返している。
ノリボケという新たなスタイルを確立したハライチこそお笑い新世代だと思う。ずっと見ていたいような漫才。

テンダラーの漫才を久々に見た。
面白い。安定感がある。
かつてテレビ番組「バレベルの塔」でボウイ賢者、マイケルジャクソン賢者として驚異的な能力を発揮していた2人である。

まさか村上ショージさんが出演するとは、いぶし銀の漫談でした。

東京03「2人だけのノリ」
日本コント界の至宝。
不用意なギャグなどは極力削ぎ落とし、日常に潜む場面、喜怒哀楽や機微を笑いへと組み立てる技巧派トリオ。
とにかく一個一個のコントのクオリティの高さがハンパじゃない。
いつか生でライブを見に行きたい。
このコントはノリノリな飯塚さんが言う「何だって!?」が面白い。

「ピザ屋でアルバイトする西尾一男」
段取り、寸法、帳面、オートバイ、ポリさん、ペルシャ絨毯専門店「盛り塩蹴るな」「そこのビルは呪われとるぞ」様々な言葉が、西尾一男というキャラクターを際立たせる。

「新入社員説明会」
こんなスピーディーかつリズミカルな新入社員説明会のコントは唯一無二。
分け目ピッシー。

スピードワゴンの漫才は劇的だ。
言われたいセリフをさらりと回収するくだりが好きだ。
「あの時助けていただいたシロナガスクジラです」ってセリフはパンチラインだ。

どぶろっく「さよならのその前に」
性春パンクの継承者か。
俺は「〜な女」の歌ネタの方が好き。

かつて「品川です!」の一言で観客席を盛り上げた、あの頃はネタ番組の常連漫才師だった気が。
3年ぶりにテレビで漫才を披露。
センターマイクの前に立つ品川庄司の姿のカッコ良さ。
品川庄司の学校ネタ漫才では校長先生だけでなく教頭先生も登場させてさらに面白くしたのがすごい。
鼻血出まくり、謎のライダー、ブスな女の子と漫画チックなPOPなノリもある。

中川家の通販番組の漫才は最高。

モナなんて単語も飛び出す、懐かしい。ベッキーゲスの極み乙女。SMAP、清原とここ1カ月で積もり積もった芸能ニュースを時事漫才で一刀両断。
ニュースに踊らされ、踊り疲れた視聴者が抱えている隔靴掻痒な気分も解消されたのではないだろうか。

漫才師としての声、所作のカッコ良さ。佇まいがやはりレジェンド。
マンションの杭、エンブレム、号泣議員そして端々にSTAP細胞、大塚家具、カメラ窃盗、五郎丸を細かくサンプリングし世相を切る、お見事の一言である。

立川吉笑が今一番面白い、なう。

小学生の頃、国語の教科書に「ぞろぞろ」という落語が載っていてそれが俺と落語とのファーストコンタクトだった。
小学生ながらに「面白いなぁ」と思った記憶がある。

時は経ち、中学生の頃に「タイガー&ドラゴン」という落語を題材にしたドラマが放送された。
脚本は宮藤官九郎
池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の二つのクドカン作品に打ちのめされていた俺は言わずもがなこのドラマにハマった、ビデオに録画して何度も見た。
岡田准一演じる竜二が落語を話しながら夜の道を歩くシーンがすごく印象的だった。

時は経ち、千原兄弟にハマった俺は「チハラトーク」というDVDを見ていた。千原ジュニアさんが大銀座落語祭に出演した時のトークになり、その後千原ジュニアさんが「死神」という落語を演じた。
とにかくカッコ良かった、衝撃を受けた。
DVDを見終えてすぐに自分の部屋から茶の間へ移動し、誰もいないシンとした茶の間に座布団を敷き、見よう見まねで千原ジュニアの「死神」を話した。

小学生に「ぞろぞろ」を好きになった瞬間から「落語好き」になるキッカケは芽生えていたのかもしれない、その芽はタイガー&ドラゴンで養分を蓄え、千原ジュニアの「死神」で開花した。

落語への興味が湧いた。

多分、その頃愛読していたダイノジ大谷ノブ彦さんのブログで知ったのかもしれない、それまで日本語ラップ椎名林檎アジカンのCDなどを借りていた俺が、初めてTSUTAYAで借りた落語のCDは立川談春だった。
立川談春の「20年目の収穫祭」に収録されていたのは「九州吹き戻し」「文七元結」だ。
落語ルーキーにはいきなり濃かったかもしれないチョイス、例えるならば電気グルーヴのアルバムを聴こうとしていきなり「VOXXX」を聴いてしまったような感覚か。

立川談春の語り口に引き込まれた、落語の世界へ一歩踏み込んだ気がした、今までよりももっと強く「落語が好き」という世界に踏み込んだ気が。

立川談春の名著『赤めだか』は何度も読んだ。
何度読んでも面白いし何度でも読みたくなる魅力の詰まった一冊だと思う。
『赤めだか』の中に出てくる落語「除夜の雪」が気になり、桂米朝の落語を聴いたりもした。
立川談春を聴き、立川流にハマっていった。
立川志らくの『立川流鎖国論』を読んで衝撃を受けた、立川志の輔の現代落語にも、立川こしらの高速落語にも。

そんな俺が今一番好きで今一番注目している落語家は「立川吉笑」だ。

キッカケは立川吉笑のブログだった。
銀杏BOYZについて書いていたのである。
月9ドラマ「恋仲」で高校時代の福士蒼汰本田翼が聴いていた銀杏BOYZだ、俺も高校時代の頃に聴いていた、何度聴いたことか、青春時代に銀杏BOYZの楽曲に何度救われたことか。本田翼のような可愛い女の子と一緒に聴きたかったが、一人で聴いていた、悲しい。
銀杏BOYZが9年ぶりにアルバムをリリースする前日に何気無く行ったTSUTAYAで新しいアルバムの店頭プロモを見つけた瞬間「本当にアルバム出るんだ」と涙が出た、TSUTAYAを出て入り口近くで静かに泣いた。そのくらい銀杏BOYZが大好きな俺だったから、すぐにそのブログを読んだ。

何度も読んでしまうくらいに素晴らしいブログだった。

銀杏BOYZに、峯田和伸に影響を受けた落語家がいることに感動した。

立川吉笑の「ぞおん」を初めて聴いた時の衝撃は忘れ難い。

立川吉笑の著書『現在落語論』を読んだ。
もう何度も読んでるけど本当最高な一冊である。
立川談志の『現代落語論』が未読な俺は立川吉笑の『現在落語論』がバイブルだ。

落語って何?と興味が湧く人はぜひこの一冊を読むとこから始めてほしい。
これほどまでに落語への入り口に適した書物はあるだろうか。
古臭い、難しそうといった誰しもが抱えがちな落語のネガティヴなイメージを解きほぐしていく感覚の心地良さ。
立川吉笑による落語のシステム、メカニズムの分析がとにかく斬新で面白い。

やはり一番読んで心に残った章は「第4章 落語家の現在」だ。

落語家立川吉笑誕生の道のりとパーソナルな部分、立川吉笑の「笑いのセンス」の骨格を形作る様々なカルチャーが綴られているこの章、落語界に巻き起こる新風が吹き荒れる音が聞こえてくるような感覚がした、立川吉笑は間違いなく落語界に新しい風を吹かせると思う。

著書の中で、立川吉笑は千原兄弟の「プロペラを止めた、僕の声を聞くために。」を一番好きなライブDVDとして挙げている。

だからこそ、立川吉笑の「センス」が好きなのだ。

銀杏BOYZダウンタウンラーメンズ千原兄弟POISON GIRL BAND榎本俊二のギャグ漫画etc、落語プラスα、感覚の中に次世代のカルチャーからの影響が脈打つ、立川吉笑の「笑い」が今一番面白いと思うし、今一番興味がある。

いつの日か生で落語を観てみたい。

心の奥底を炙り出す狐火の言葉と声、狐火「32才のリアル」

2016年、2015年から年明けて間も無いのに、かつて有吉弘行から「元気の押し売り」と揶揄された女性タレントと人気ロックバンドのフロントマンとのニュースや、国民的アイドルグループの解散疑惑のニュースが連日報道されるという激動の日々の中、突如流れてきた宇多田ヒカル活動再開の嬉しいニュース。

「同い年なら宇多田ヒカルとサカキバラ」なんてリリックすらも飛び出す「便座みたいな新国立」という曲も収録された「32才のリアル」というアルバム。
歌っているのは狐火。

狐火の曲は前々から大好きだった。
初めて聴いたアルバムは「27才のリアル」というアルバムだった。「intro〜雑念AKB商法〜」「ノーボーダーポエトリーリーディング」に驚き、夜中に駅前の道を歩きながら聴いた「最後の曲だとしても」に涙腺を押された。

今日、TSUTAYAに行ったら並んでいた「32才のリアル」思わず「マジで!?」と言ってしまったよ。これはクセか?治したいな。
ずらり並んだ収録曲のタイトルを見るだけで衝撃、曲のみならず曲名にも光る切れ味とセンス。
「MOROHAがテレビ(地上波)に出た夜」この曲名に惹かれ耳を傾けようと思う人たちが何人いる?
恐らく万人にはウケないかもしれない共感は得にくいかもしれない、けれどありのままの気持ちをストレートにぶつける狐火の曲は容赦なく俺の鼓膜に心に響く。
「僕じゃダメなんですか」の中に出てくる「子育てに夢中の同級生を見る度 たくさんの季節が通り過ぎた事に気付く」
というリリックを聴いた瞬間に思わず「うわ」という言葉が口からこぼれた。痛感する、だからこそFacebookを見るのが俺はつらいんだ。同曲の「実家の畑のカラス除けに吊るされたCDを良くみたらオレの売れ残った在庫CDだった時にうそでしょ でも何かすげぇ光ってる 複雑だったけど、何かの役には立ってたんだよね」絵が浮かぶようなこの鮮明なリリックに圧倒された。

ペヤングの湯切り失敗」という曲に出てくる「ラップ やってないのに ラップ やってる様に見える クルーが溢れかえった2000年代初頭 ラップやってるのに ラップ やってないように見える人が 残った10年後」このセンテンスだけで日本語ラップシーンを的確に言い表している。同曲の後半では「ポケットピカチュウ」なんて単語も飛び出して懐かしさで笑ってしまいそうになった。
「再起」という曲の力強さに、最後の曲の「ハイボール」の味わい深いロマンやどうしようもない切なさに震えた。
「マイアミネガティブfeat,あっこゴリラ」はとにかく疾走感とリリックの切れ味が最高で「あ、これは何回も聴きたいな」と思ったそしてあっこゴリラのファンになった、初めて聴いたけれどすごくカッコいい。

宇多田ヒカルと同い年、恐るべき才能。狐火が放つ言葉の飛礫のその強さと飛距離を何度だって噛みしめたい。







2016年になった

2016年になった。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしく。

2016年、俺の初笑いは「芸人キャノンボール」のオープニング、番組のルール説明のシーンで「生まれ育った街ですよ」と意気揚々に語る出川哲朗に笑いながらハイキックをくらわせた有吉弘行でした。
芸人キャノンボール、仕事だったからオープニングしか見ることが出来なかったけれどこのオープニングの映像が最高にカッコ良かった。

大晦日は紅白歌合戦を見ていた。椎名林檎を見逃したのは大きい。向井秀徳が出演したと知って本当にびっくりした。
BUMP OF CHICKENも出演したし、豪華すぎる。中学生の頃の俺に言ってもほぼ百パー信じてくれないだろうな。BUMPは「ray」を歌っていた。危なかった「ガラスのブルース」「K」「グロリアスレボリューション」を歌われていたら多分泣いていた、中学生の頃に何度あの曲を聴いたことか、藤原基央に憧れたことか。

中学生の頃に「僕らの音楽」という番組に椎名林檎が出演していて、ゲストで登場していたのが向井秀徳だった。
正直「この向井秀徳という人は誰だ?」と思っていたが、番組の最後に向井秀徳が歌った「自問自答」という曲を聴いた衝撃は忘れ難い、ビデオに録画して何度も見たさ。




ドラマ 赤めだか が良かった。

ドラマ「赤めだか」を見た

 
原作である立川談春の『赤めだか』はもう何度も読み返している。
すごく好きな一冊だ。
この本の中に登場する落語「除夜の雪」が気になって桂米朝の「除夜の雪」を聴いたりと、自分の中で落語への興味を加速させた一冊でもある。
ドラマの中で二宮和也が演じる立川談春の『赤めだか』を読み、濱田岳演じる立川志らくの『立川流鎖国論』も読んだ。どちらもすごく面白かった。
 
そういえばある番組で「映画クレヨンしんちゃんモーレツ!!オトナ帝国の逆襲」の魅力について歯に衣着せぬ語り口で語っている方がいた、立川志らくだった。
 
ドラマ「赤めだか」を見た。
すごく面白かった。
ビートたけしが演じる立川談志のその迫力と存在感に圧倒された。
先日見た「伝説の芸能60年史」という番組で流れた若かりし頃のビートたけしの映像をふと思い出してみる、ビートたけしの発言と切れ味がすごかった。
まさに毒舌とマシンガントーク。
その「面白い」という笑いの毒が回るスピードも早くてトークのマシンガンとしての威力もハンパじゃなかった。
 
大観衆を前にしたビートたけし演じる立川談志の後ろ姿のあの映像、あのショットのカッコ良さ、立川談志の役を借りて何も言わない背中が「ビートたけし」というコメディアンが歩んできた歴史を物語っているようだった。
 
二宮和也演じる立川談春も良かった。
タクシーの中で落語を披露するシーン良かったな。
 
ドラマ「赤めだか」のあとは「ヤブツル 鶴瓶小藪の大阪夜話」を見た。
笑福亭鶴瓶小籔千豊によるトーク番組。芸人が舞台の上でトークするその立ち姿ってやっぱりカッコいいなと思う。そしてやっぱりこの2人のトークは面白かった。
 
その後は「速報!有吉のお笑い大統領総選挙!!2015冬」を見た。
途中から見たので「三四郎」から。
 
三四郎 「美容師になりたい」
三四郎の漫才はリズム、スピード全てが最高。咆哮する小宮。斬新な設定でこのままお笑い界をバチボコ切り開いてほしい。
 
アルコ&ピース「パスタの値引き」
平子の「王様のブランチ見ましたー」の一言が絶妙。シティ派コント師のスタイリッシュな着眼点大好き。
 
NON STYLE「転校」
ノンスタの熱烈なファンでは無いが言う、ノンスタの漫才は面白い。ボケの詰め込み方とテンポが最高だ。M-1で優勝した時の漫才よりも優勝以降の漫才の方がケタ違いに面白いと思う。ネタ後のトークで「この番組のために新ネタでやってんだ」という井上に「井上、新ネタを作ってんのはオレ」と言った石田の発言が最高だった。
 
「世の中のありとあらゆるものを太らせる力」
技巧派、タイムマシーン3号の漫才。言葉を太らせるという発想が好きだ。言葉遊び的な方法はやはり心地よい。
「牛脂はデブのキャンディ」
「リッツは食べるお皿」
「食い放題をクーリングオフ」などパンチライン多数。
 
マツモトクラブ
コンビなのかトリオなのか名前からして不穏な雰囲気漂うピン芸人
美容室という誰もが体験するであろうシチュエーションでの気まずさやあるあるをコンパクトにまとめた演技派コント。鏡どこみていいかわからないってたしかにある。
 
「ガッツポーズマジシャン」
毎度ネタの題名からして最高であるジャルジャルのコント。「天職や!」「大技いこか!?」などセリフが面白い。
手品という美しいエンターテインメントを情緒のリズムで壊していく感じが最高。

馬鹿よ貴方は 「フワッフワッの金属」
今一番好きな漫才コンビ。
金属の概要は説明せずに「フワッフワッの金属」という言葉の響きで突き進む漫才だったがこれがめちゃめちゃ面白かった。

パーティ内山「ベイベーの数」
フリップ芸。吉川晃司と布袋寅泰が自身の曲の中にどれだけ「ベイベー」という単語を入れているかの研究。そのネタの発想力がすごい。

Aマッソ
前々から名前は知っていたけれどテレビでネタを見るのは初めて。ネタを見て一瞬でファンになった。変に恋愛ネタなどを絡めたりせずに発想力だけで戦っていくような漫才がすごく良い。
「右目だけで雑誌読も」などネタ中の言葉のチョイスが絶妙、どんどん笑いが増していくような展開に圧巻。

パーマ大佐「続・お弁当のうた」
初見。歌ネタのピン芸人だったのか。
「園児には早すぎー」ってくだりには笑ったなぁ。

アナクロ二スティック
「男女交際解説」
こういう雰囲気のコントが大好き。
将棋解説のフォーマットって良い発想だなー。

ハナコ「おじさん虫」
初見。かなり面白いコントだった。
ネタ後に有吉が「めちゃくちゃバカなネタですね」と笑いながら言っていた、最高の賛辞だと思う。

キートンさんと熊本の人
千の風になって」
歌うキートンさんのとなりの女性がすごく美人でほぼその女性ばかり見ていた俺がいる。

ニューヨーク「ケンカ」
不良少年が主人公の映画などにありそうなケンカシーンのコント。これ面白かったなー。

メイプル超合金
どことなく久保ミツロウのツッコミを彷彿とさせる安藤なつが面白い、ひょうひょうとボケをかましていくカズレーザーが面白い、今までに無い新しい男女コンビ。

お坊さんの逃走コント。これぞ破天荒なノブコブの笑いだ。

ナイツ
ふりきれた下ネタ。いつになくダーティーな笑い。ベッキーの前でこの漫才をやってのけるナイツのカッコ良さ。

その後、寝る前に「ドキュメント72時間」の特番を見ようかなと思って何気無く見た3本がどれも傑作で大満足だった。
・赤羽おでん屋エレジー
哀愁と人情がまるでおでん屋の湯気の如く立ち込める名作。
・駄菓子屋 子どもたちの小さな宇宙
駄菓子屋の佇まいからして味わいがある、この駄菓子屋にはどれだけのドラマや名シーンが眠っているのだろうか。
「鬼ごっこしてくるわ」と言った女の子カッコ良かったなー。スナックで働く二十歳のシングルマザーがポツリと言った「小学校に戻りたい」の一言に心打たれた。
子どもたちの無尽蔵のパワーと無邪気さに懐かしい気分になった。あんな風に本気でジャンケンしてないし、もう俺は多分あんな風に本気でジャンケン出来ないよ。あんな勢いよくパーを出せない。
「わからんのに好きになってしまったの?」「直感や」って会話のやり取りはすごかったな。
・北の大地の学生寮
あの駄菓子屋が子どもたちの小さな宇宙なら、この学生寮は若者の大きな宇宙だと思った。漫画に出てくるような若者のエネルギーに満ち溢れた学生寮。すごく楽しそうだった。料理を作っているシーンで誰かが流していたのであろうゲスの極み乙女。の曲がうっすら聴こえてきたのも良かった。

ブログを更新しながら聴いた音楽はこんな感じ。シャッフル再生で。

「まごころに」

「Magic Blue Van」


「ブギー」
ミッシェルガンエレファント

「空風の帰り道」


「GT400」
ミッシェルガンエレファント

「ANARCHY IN THE 逗子」
Dr.DOWNER

「愛のうた」

TACTICS

「FRENZY」
PONTIACS

「青春ゴーズ・オン」


「序」

「Take It Or Leave It」
JET

「Bus To Finsbury」

「カモメ」

「STOICIZM」

「猟奇的なキスを私にして」

「At  There I Will Cry」


「Ride the wave」

「ぐるぐる(アルバムバージョン)」

「ふわりのこと」
ねごと
 

2009年12月24日

6年前の今日。

2009年12月24日。

何気なく見た携帯電話の画面、画面の下に流れたニュース。
これもスマホiPhoneが普及した今じゃ想像出来ないかもしれないけど、昔の携帯電話は画面の下に字幕みたいにニュースが流れる機能があったんだよな。

携帯電話の画面に流れたニュース。
今でも忘れられない「ロッカー志村死去」の文字。
正直な話「ロッカー志村って誰だ?」と思った。まさか自分が大好きなロックバンド「フジファブリック」の志村正彦の事だとは思いもしなかった。

初めて聴いたのは高校一年生の頃だ。
メンバー全員の顔がキツネになっている写真でタイトルが「FAB FOX」フジファブリックで初めて聴いたアルバム。「モノノケハカランダ」という曲を初めて聴いた時、今まで聴いた事が無いような曲だったから驚いた。
「モノノケハカランダ」「銀河」「虹」の3曲が特にお気に入りで何度も聴いた。
その3曲を聴くと、ふと高校生の頃の出来事や風景が微かに脳裏を過る気がする。
B-BOYからはかけ離れた冴えないBOYのくせにカッコつけたくて貼ったA BATHING APEのシール、それが目印の愛用のMDウォークマンで膨らんだブレザーの胸ポケット、「フジファブリック」とボールペンで書いてあるMD、放課後や学校の風景、体育館の上にあるギャラリーの風景。

自分にとって高校時代のテーマソングというような位置づけでもある思い出深いフジファブリック

高校を卒業してからも俺はフジファブリックを聴いていた、2009年といえば多分高校を卒業したばかりの頃だろう。

「信じられない」「嘘でしょ」というような書き込みをネットで多く見かけた、何事かと思って詳しく調べてみたら、理由がわかった。

大好きなロックバンドのフロントマンが突如としてこの世を去った。

信じられなかった。

あれからもう6年が経つ。

今でもフジファブリックの音楽は大好きだ。夏は「若者のすべて」が聴きたくなるし「夜明けのBEAT」に何度心踊らされたことか。

2009年、フジファブリック志村正彦さんのニュースを知った時、当時アメブロでやっていたブログ或いは当時のTwitterで書いた文章は「志村は宇宙の果てまで向かってしまったのか」というようなものだったと思う、フジファブリックの名曲「銀河」の歌詞にちなんだものだ。

クリスマスイヴ、町中にクリスマスソングが溢れかえる中で、今日、フジファブリックを聴いている人は何人いるのだろう。

部屋の窓の向こう、暗い冬の夜空を見て久しぶりにフジファブリックの「銀河」が聴きたくなった。