「テレクラキャノンボール2013」について。
冬の夜空は他の季節に比べて、よりクッキリと黒のトーンが鮮明な気がする。
コンビニの雑誌コーナー、ファッション雑誌の表紙や漫画雑誌のアイドルに微笑みをプレゼントされたような気分。
高校生の頃に初めて買ったファッション雑誌は『ストリートジャック』だった気がする。
そんなことだけは覚えているもんだ。
先日『映画秘宝』に「劇場版テレクラキャノンボール」についての記事が載っているという情報をTwitterのTLで知ったので、パラパラと立ち読みしたけれど見当たらず。もしかして先月号に載っていたのだろうか。
コラムをちらりと読んだ後、牛乳を買って家に帰った。
雪がちらほらと降っていた。
もう一つは「テレクラキャノンボール2013」だ。
ストレートに言うと「テレクラキャノンボール2013」はいわゆる「AV」である。
だからこそ友達などにこの作品の面白さや魅力をとことん語るのはちょっと難しい。
でも観たら絶対誰かに感想を話したくなると思う。
カンパニー松尾さんの作品は昔一度見たことがある。AVにしてはスタイリッシュというかドキュメントタッチな雰囲気が印象的だった。
しかしあまり好みな雰囲気ではなかったので、結局お気に入りの「胸キュン喫茶」のオムニバスDVDでウィニングランを迎えた。
真夜中にこっそりと観賞をスタートした。開始数分、俺はティッシュの箱をスーッと遠ざけた。
なんというかこれはもうAVじゃない。
ロードムービーだ。
ロードムービーでありドキュメント映画。
車やバイクといったカッコいいマシンが疾走する、本音やありのままの姿を見せる「リアル」な女性たち。男のハートを撃ち抜くには充分すぎる要素がこれでもかというくらいに散りばめてある。
「俺はとんでもない作品を見ている」というドキドキ感がたまらなかった。他のAV作品じゃ、このドキドキ感はきっとないと思う。
あまりにも膨大な内容量なので、まだ全て見たわけではない。
が、我慢出来ずに先にエンディングを見てしまった。
何も言えなくなった。
爽やかさと切なさが入り混じるこの不思議な感覚がザワザワした。
ドキュメント、本音、リアル。
いくつものカメラが映しだす、赤裸々な夜が朝が男が女が街が、その全てが鮮烈で衝撃的だった。
そのリアルな瞬間瞬間を切り取っているみたいな、あの感覚が好きだ。
ジャンルの垣根を軽々と飛び越えたこの作品を見ることが出来たのは、すごく刺激的だし印象的な出来事だった。