永遠に爆ぜらせたい「読書好き」という火花
そして時は経ち、また「芥川賞」に関するニュースに衝撃を受けた。
ピースの又吉直樹の書く文章が好きだ。昔「ラフブロ」というサイトで公開されていた又吉さんのブログ「猿」がとにかく面白くて過去の記事まで読み漁った、そして何度も読み返していた。
ある日「又吉さんが本を出さないかなぁ」とボンヤリ思いながら本屋に行ったら『第2図書係補佐』という本を偶然見つけた。その本の中で町田康さんの小説を紹介していて嬉しくなった、俺も町田康作品が好きだったからだ。
あれは高校生の頃の授業中、なんとなく『国語便覧』をめくっていたら町田康という人物が載っていた。そのページにあった経歴は「元パンクロッカー」というような言葉を筆頭にインパクトのある異色な経歴となっていた、そのインパクトと只者ではない雰囲気に惹かれ、町田康作品を読んだ。
今まで読んだこともない小説の世界観に圧倒された。『爆発道祖神』『くっすん大黒』『きれぎれ』など。
しばらくして又吉直樹は『東京百景』という本を出した。読みたいなと思いつつも読むタイミングを逃していた。
そして又吉直樹の小説『火花』が世に解き放たれた。静かに燃える情熱が脈々と流れているような迫力のあるこの物語に俺は深い衝撃を受けた。
幼い頃から本を読むのが好きだった。
小学生の頃、図書室で見つけた『シンタのアメリカ物語』という本がすごく好きで何度も借りて読んだ。
高校生の頃、町田康作品、本谷有希子作品を愛読した。戸梶圭太の『天才パイレーツ』のショッキングさに、中島らもの『こどもの一生』の恐怖に、伊藤たかみの『アンダー・マイ・サム』の爽やかさに、嶽本野ばらの『下妻物語』のPOPさに衝撃を受けた。
「本を読むのが好き」「読書好き」という事を公言するのは又吉さんの影響があるかもしれない。小説と小説家を愛し、愛するが故に時に苦悩する、そんな又吉直樹の知的さと発想力に憧れるのだ。